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五輪の最中に5個の熱帯低気圧が同時発生も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧の雲(2日午前7時、ウェザーマップ)

雲だらけの南海上

雲の様子(2日午前7時ウェザーマップ)
雲の様子(2日午前7時ウェザーマップ)

タイトル画像では、赤い丸の中、伊豆諸島の南海上に雲の渦巻きが確認でき、これが熱帯低気圧で、本州に近付こうとしています。

さらにもう少し広いサイズで雲の様子をみると、日本の南海上から沖縄付近にかけて、大きく雲が湧きたっており、いつどこで新たな熱帯低気圧が発生してもおかしくない状況です。

五輪の最中に五個の熱帯低気圧が同時発生も?

実況天気図と予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)
実況天気図と予想天気図(気象庁発表に筆者加工あり)

気象庁が発表しているきょう2日(月)午前3時の実況天気図によると、上述した伊豆諸島の南の熱帯低気圧Aの他に、沖縄近海に熱帯低気圧Bが発生しました。

さらに今夜になると、日本の南東海上に熱帯低気圧Cが発生し、さらにあす3日(火)21時になると、南シナ海に発生していた熱帯低気圧Dの他に、小笠原の南海上にも熱帯低気圧Eが発生する予想です。

この時点では熱帯低気圧Aは、すでに紀伊半島付近に到達し、消滅している予想ですが、タイミング次第では天気図上に5個の熱帯低気圧が並ぶ可能性もありそうです。

五輪の最中だけに、もしそうなれば、ある意味話題にもなりそうな感じですが、それだけ日本の周辺は不安定な領域となっているということでもあり、より注意せねばなりません。

ちなみに、きょう2日(月)からあす3日(火)にかけて、関東から近畿は熱帯低気圧Aの影響で、沖縄は熱帯低気圧Bの影響で激しい雨の降るおそれがあり、今週の後半にかけては、熱帯低気圧Cや熱帯低気圧E周辺の活発な雲域が本州付近に北上してくる計算もあります。

今のところ、どの熱帯低気圧も台風にまで発達する予想はありませんが、まだまだ不確実性がかなり大きな状態です。実際に一体いくつの熱帯低気圧が発生するのか、その位置や勢力などは今後も大きく変わる可能性がありますので、最新情報にご注意下さい。

台風が5個同時発生は過去に1度のみ

1960年8月23日21時の天気図(国立情報学研究所資料に筆者加工あり)
1960年8月23日21時の天気図(国立情報学研究所資料に筆者加工あり)

ちなみに台風が5個同時に天気図上に並んだことが、過去に1度だけあります。

それが上図、1960年8月23日15時から24日9時にかけてのタイミングで、東京オリンピックを4年後にひかえ、さらに同年のローマオリンピック開催の直前(8月25日が開会式)というタイミングであったため、五輪台風と呼ばれました。

台風が5個同時に並んだのはこの1度だけですが、熱帯低気圧を含めると、さらに調べなければなりません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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