台風12号は海へカーブも油断ならず

伊豆諸島や関東へ近付く台風12号の雲(ウェザーマップ)

関東の南をやや離れて通過へ

台風12号の予報円(ウェザーマップ)
台風12号の予報円(ウェザーマップ)

台風の最新情報(気象庁発表)

日本の南を北上している台風12号の進路予想が大きく海寄りへと変わってきました。

きょう23日(水)午前9時現在、台風12号は八丈島の南西約280キロにあり、北北東へ時速20キロで進んでいます。

中心気圧は975hPa、最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで、引き続き、暴風域を伴う台風となっています。

今後はこれまでの予想よりも東寄りに進むため、大きく海寄りとなり、予報円の真ん中を進むと、あす24日(木)の明け方頃に八丈島付近を通過し、その後、関東の沖合に離れていく予想です。

進む速度は時速15キロから20キロ程度の自転車並みですから、秋台風にしてはかなり珍しくノロノロと進むこととなりそうです。

これまでよりも海寄りとなった分、台風本体に伴う活発な雨雲は陸地にはあまりかからず、きのうまで予想されていた広い範囲での大雨はややトーンダウンしそうですが、それでも関東甲信や東海地方、あるいは東北の太平洋側を中心に大雨となるおそれはありますので、警戒を怠らないようお願いします。また沿岸部では強風や高波にも警戒が必要です。

さらに台風がかなり接近する伊豆諸島は、八丈島など南部を中心に暴風が吹き荒れ、大荒れとなりそうですから、厳重な警戒が必要です。

大雨や暴風などの情報はこちらご確認ください。

予報円を外れて北上

台風12号が発生した時点の予報円と実況(ウェザーマップ)
台風12号が発生した時点の予報円と実況(ウェザーマップ)

まだ台風12号の直接の影響はこれからですが、発生当初の予報円からはかなり外れてしまっていますので、このことにも触れておこうかと思います。

上図は台風12号が発生したおととい21日(月)12時発表の予報円で、台風12号は予報円の真ん中を進むと、西日本の南海上を北上し、紀伊半島付近へ到達する予想となっていました。

ところが赤い点で示したのが実際の台風12号の位置ですが、きのう22日(火)12時及びきょう23日(水)午前9時ともに予報円を示す黒い円からは外れてしまっています。

実はこの予報円に台風の中心が入る確率は70%で、逆に言えば30%の確率でこの予報円の外に外れてしまう可能性もあるのですが、それにしても今回は発生当初から予報円を外れるように北上してしまっているようです。それは何故でしょう?

難しかった台風12号の進路や勢力予想

台風や高気圧などの位置関係(ウェザーマップ)
台風や高気圧などの位置関係(ウェザーマップ)

台風12号の進路予想が発生当初から難しかったのは上空の高気圧や偏西風などの位置関係にあると思われます。

上図は台風12号が発生したおととい21日(月)昼頃の高気圧や偏西風の状況をあらわしたもので、台風12号は東にある高気圧(太平洋高気圧)と西にある高気圧の間にすっぽりと入ってしまい、ある意味身動きが取れない状態でゆっくりと北上している状況です。

なかでもポイントは東にある高気圧で、この勢力が強まれば、大きく膨らみ、西日本を指向するAコースとなる一方で、勢力が弱まれば初めから東寄りの成分を持ちつつ北上し、Cコースをとる可能性もあり、気象庁の予報円はちょうどこの真ん中を進むBコース付近となっていました。ただ、やはりこの大きなブレを考慮し、予報円は九州から伊豆諸島付近まで、直径1000キロにも及んでいる状態でした。

今現在の状況で言えば、Cコースを台風が進んでおり、東にある太平洋高気圧の北への勢力、張り出しが当初の気象庁の見立てより弱くなったのかもしれません。

また偏西風(上空の強い西風)の影響をいつ頃から受けるのか、あるいはあまり受けないのか、さらには30℃前後もある暖かな海面上でどれ位発達するのかなども、予想が分かれており、かなり難しい状況となっていました。

台風の進路予想は以前と比べてかなり精度が上がっているのは間違いありませんが、今回の台風12号のような非常に難しい微妙な環境下になると、わずかなブレが様々な計算結果を生み出すため、私たちもこのあたりをうまく解説していかなければならないと思います。

台風12号の影響はこれから本格化しますので、くれぐれもご注意下さい。