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まるで梅雨のような東京都心、暑かった5月が一転、記録的な低温と日照不足に

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
17日と22日の雲の様子(ウェザーマップ)

関東~東北は曇雨天、東京都心は記録的低温と日照不足

推計気象分布(ウェザーマップ)
推計気象分布(ウェザーマップ)

きょう22日(金)も、関東~東北にかけて曇りや雨が続いており、気温も低く、まるで梅雨に入ってしまったかのような天気が続いています。

東京都心に関してみてみると、青空が広がったのは、タイトル画像にもある通り、今週初めの17日(日)。

強い日差しで最高気温も28.2℃まで上がり、この時点では5月に入ってからの夏日(25℃以上)の日数はすでに11日に達しており、5月一か月分の平年値9.3日を上回って、記録的に夏日の多い5月となっていました。

ところがもと台風1号の湿った空気を吸収した低気圧の影響で、18日(月)~19日(火)にかけて雨となった後、オホーツク海高気圧や上空の寒気の影響で全く晴れておらず、きょう22日(金)も最高気温は夕方に観測した18.1℃で、これで4日連続で20℃未満となっており、しかも日照時間は5日連続で0時間と、全くない状態が続いています。

12年ぶりの低温と42年ぶりの日照不足

東京都心のデータ(気象庁発表資料を抜粋加工)
東京都心のデータ(気象庁発表資料を抜粋加工)

東京都心の5月のデータを調べてみると、4日以上連続で最高気温が20℃未満となるのは、上図の通り、2008年5月10日~14日にかけて記録した5日連続以来、12年ぶりとなります。

さらに5月に5日以上連続で日照時間がゼロとなるのは、1978年5月6日~11日にかけて記録した6日連続以来、実に42年ぶりのこととなります。

文字通り、先週までの暑かった5月から一転、今週に入り記録的な低温と日照不足に陥ったことが分かります。

ちなみに昭和以前は5月に一週間以上連続で最高気温が20℃未満となるのは何度もあり、1929年(昭和4年)には5月3日~16日まで、14日連続を記録したこともあります。

週末以降は、低温も日照不足も解消へ

東京都心の16日予報(ウェザーマップ)
東京都心の16日予報(ウェザーマップ)

今後の予想ですが、あす23日(土)になると、まだ曇雨天傾向ではあるものの、気温は徐々に上がり、今のところ最高気温は21℃と5日ぶりになんとか20℃を超える予想です。

またあさって24日(日)になると、晴れ間も広がる予想で、もしあすまで6日連続日照時間がゼロの状態が続いたとしても、あさってにはこの記録にも終止符が打たれることとなりそうです。

換気日和と洗濯日和が戻ってくるまでもうしばらくの辛抱です。

*日照時間と最高気温が確定した午後6時半に加筆、修正あり

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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