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台風1号が発生、今週末に沖縄近海へ北上も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風1号の雲の様子(12日21時、ウェザーマップ)

台風1号が発生、フィリピンから沖縄近海へ?

台風1号の予報円(ウェザーマップ)
台風1号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

12日(火)21時、フィリピンの東海上で、今年初めての台風1号が発生しました。

台風1号は、予報円の真ん中を進むと、今後徐々に発達しながら西寄りに進み、一時的に暴風域を伴う台風としてフィリピン付近に達し、15日(金)から16日(土)にかけて、フィリピン付近を進んだ後、5日後の17日(日)21時にはフィリピンの北の海上へ達する見込みです。

暴風域を伴った後、陸地であるフィリピンを北上するため、水蒸気の補給がやや少なくなることや陸地で摩擦が大きくなるなどして、勢力を弱めつつフィリピンの北の海上へ抜ける見込みですが、それでも台風のままフィリピンの北の海上へ達する見込みです。

また17日(日)21時の予報円の大きさは直径約1000キロとかなり大きく、一番北側まで到達していると、この時点で石垣島など沖縄近海まで進んでいる可能性も考えられます。

すでに沖縄や奄美は梅雨入りしており、梅雨前線を活発化させ、大雨を降らせる可能性もあります。

今後の台風1号の進路予想にご注意下さい。

台風1号の発生は過去8番目の遅さ

台風1号の遅い発生記録(筆者作成)
台風1号の遅い発生記録(筆者作成)

統計のある1951年以降、台風1号の発生は平均すると3月頃ですから、5月以降にずれ込めば、かなり遅い部類に入ることとなります。

これまでの遅い発生の順位を調べると、上図のようになっており、今年の発生は遅い方から8番目ということになります。過去70年間で8番目ですから、単純には10年に1度程度の遅い発生と言えるかもしれません。

また今年のように台風1号の発生時期が5月以降にずれ込んだ年を平均すると、年間の発生数は2~3個少なくなり、上陸個数も1個程度少なくなる傾向はありますが、これはあくまでも平均したもので、7月までずれ込んだ1998年には4個が上陸し、2016年には上陸数の記録で2番目に多い6個が上陸し、いずれも甚大な災害が発生しました。

今年も台風1号の発生が遅れたからと言って、油断は出来ません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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