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荒天域が再び本州付近を東進へ、東京都心は早くも4月の月間雨量記録を更新する可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
本降りの雨の東京(写真:アフロ)

東京都心はすでに梅雨期に匹敵する262.5ミリ

東京都心の雨量(左図は気象庁資料に加工、右図はウェザーマップ)
東京都心の雨量(左図は気象庁資料に加工、右図はウェザーマップ)

例年4月は春の周期変化の時期で、低気圧の通過に伴い、毎週のように雨が降るものですが、それにしても今年は上空の寒気の影響も加わり、低気圧が発達しながら通過することが多いため、各地でかなり雨量が多くなっています

東京都心に関しても同様で、4月のスタートとなる1日に31.0ミリのまとまった雨が降ったのをはじめ、13日には132.0ミリと4月の観測史上(1876年以降)1位となる日雨量を記録し、それからわずか5日後の18日にも同じく4位となる89.5ミリの日雨量を記録しました。

これで18日現在、早くも月間雨量は262.5ミリに達し、4月の平年値124.5ミリの倍以上となっており、4月の1位記録283.0ミリにあと20ミリほどに迫っています。

東京都心の梅雨期(6月8日~7月20日)の平年値は約250ミリですから、まるで梅雨を一度やってしまったかのような多雨の4月となっています。

そして、この傾向は週明けにかけても続き、もしかしたら4月の月間雨量の記録を20日の時点で更新するかもしれません。

再び本州付近を荒天域が東進へ

日曜日午後9時の雨と風の予想(ウェザーマップ)
日曜日午後9時の雨と風の予想(ウェザーマップ)

早くも次の低気圧が本州付近を通過するため、雨や風の強い荒天域が西日本から東日本を東進する予想です。

日曜日午後9時になると、西日本で雨の所が多くなり、特に九州では雷を伴って、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨の降る所があるでしょう。

長崎県、佐賀県、熊本県、鹿児島県では、警報級の大雨となるおそれがあります。

月曜日明け方は近畿や東海でピークに

月曜日午前5時の雨と風の予想(ウェザーマップ)
月曜日午前5時の雨と風の予想(ウェザーマップ)

その後活発な雨雲は東進し、月曜日の明け方から朝にかけて、近畿や東海で、ザーザー降りの雨となり、雷を伴う所もありそうです。

三重県や静岡県では、警報級の大雨となるおそれがあります。

関東のピークは月曜日の昼前後、冷たい雨に

月曜日正午の雨と風の予想(ウェザーマップ)
月曜日正午の雨と風の予想(ウェザーマップ)

関東でも月曜日の明け方には雨が降り出し、昼前後にかけて、ピークとなるでしょう。

今回の雨雲は関東へ到達する頃にはやや弱まるため、広く大雨となるおそれは小さいものの、本降りの雨となる所はありそうで、雨の降り方次第では、神奈川県に大雨警報が発表される可能性もある予想となっています。

また関東では冷たい雨となりそうで、日中にかけての気温は10℃程度なるでしょう。きょうは東京都心で22.5℃まで上がるなど、各地で20℃以上となっていますので、大きな寒暖差にも要注意です。

東京都心は4月の月間記録を更新する可能性

24時間の雨量予想(ウェザーマップ)
24時間の雨量予想(ウェザーマップ)

月曜日午後3時までに計算されている24時間の予想雨量は、九州から東海にかけて、多い所で50~100ミリ程度、関東南部で20~30ミリ程度となっています。

ただ低気圧のコースや湿った空気の流れ込みが強まり、雨雲が活発化すれば、局地的にこの2倍以上の雨量となることも珍しくはありません。

東京都心は大体20ミリ程度の予想ですから、上述したように、4月のこれまでの月間雨量記録283.0ミリを更新する可能性もありそうです。

西日本を中心に、大雨や強風に伴う気象災害にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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