”クリスマス台風29号”比を直撃へ。日本にも1個だけあったクリスマス台風とは?
台風29号は、まさに”クリスマス台風”
きょう午前9時、日本のはるか南の海上で台風29号が発生しました。
台風が進む海域の海水温はこの時期でも30℃近くありますので、今後は発達しながら西寄りに進み、強い勢力でクリスマスイブからクリスマス当日にかけて、フィリピンを通過する見込みです。
フィリピンにとってはまさにクリスマス台風の襲来ということになりそうです。
珍しいクリスマス台風
日本とは違い、師走になっても台風がフィリピンを直撃することは特に珍しくはなく、平均すると2年に1個程度は通過しています。ところがクリスマスに限定するとさほど多くはなく、比較的、珍しいことになるようです。
統計のある1951年以降で調べてみると、上図の4個があてはまりそうですが、このうちクリスマスイブからクリスマス当日にかけて通過した台風となると、1954年台風23号の1個だけとなるようです。
今回の台風29号はまさにクリスマスイブからクリスマス当日に直撃する予想となっていますので、師走のフィリピンにとっても非常に珍しいクリスマス台風の襲来となるかもしれません。
年越し台風
日本では新年を迎えるタイミングで台風がくるなんて思いもよらないことだと思いますが、フィリピンでは過去に2度だけ大晦日から元日にかけて襲来した台風があります。
それが1959年台風23号と1986年台風29号で、言い方は悪いかもしれませんが、フィリピンにとってはまさに年越し台風の襲来といった感じだったことでしょう。
日本にも1個だけあったクリスマス台風
師走になると偏西風が大きく南下し、海水温も一気に低くなるため、日本付近に台風が近付くことはほとんどなく、気象庁の統計では、本州付近に接近(300キロ以内)した台風は1個もありません。
しかし、沖縄や小笠原諸島にはまれに接近することがあり、気象庁によると沖縄には2個、小笠原諸島には4個接近した例があります。
このうち唯一クリスマスイブに接近した台風が1個だけあり、それが1990年台風29号で、12月23日夜から24日朝にかけて、父島のすぐ南を通過していきました。
きょう発生した台風29号で、統計開始からの台風発生数は1811個目となりますが、クリスマスに日本へ接近した台風は、後にも先にも、この1個だけしかありません。
参考:デジタル台風