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危険な台風19号、特別警報級の勢力で3連休に接近も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風19号の雲(ウェザーマップ)

台風19号は猛烈な勢力へ

台風19号の予報円と海水温(ウェザーマップ)
台風19号の予報円と海水温(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風19号はグアム島の東海上で暴風域を伴う強い台風に発達しながら、西寄りに進んでいます。

今後はさらに発達し、中心気圧915hPa、最大瞬間風速75メートルの猛烈な勢力で、水曜日から金曜日にかけて、日本の南海上に進んでくる予想です。

今年、猛烈な勢力となった台風は、台風2号(中心気圧920hPa、最大風速55メートル)台風9号(中心気圧925hPa、最大風速55メートル)の2つありますが、台風19号はこれらの台風より中心気圧が下がる予想で、今年最強の台風となるかもしれません。

そして、3連休の初日、土曜日には若干弱まるものの、それでも中心気圧925hPa、最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力で、西日本の南海上へ北上してくる見込みです。

このあたりから次第に北東方向へ転向してくる計算が多くなっていますが、付近の海水温をみると、西日本のすぐ南海上まで28℃以上もありますので、その後もあまり勢力は落とさずに本州付近へ接近してくる可能性が高いとみられ、特に土曜日から日曜日にかけて、西日本から北日本にかけての広い範囲で、厳重な警戒が必要となりそうです。

台風特別警報が出される可能性も?

台風特別警報の基準(気象庁発表資料)
台風特別警報の基準(気象庁発表資料)
台風特別警報を満たす例(気象庁発表資料)
台風特別警報を満たす例(気象庁発表資料)

特別警報とは、警報の基準をはるかに超えるような甚大な被害が発生するおそれがある場合に発表され、2013年8月30日から運用が開始されました。

このうち台風特別警報に関しては、数十年に一度の強さの台風や同程度の温帯低気圧により大雨・暴風・高潮・波浪・暴風雪になると予想される場合に発表され、具体的には室戸台風や伊勢湾台風級となる中心気圧930hPa以下又は最大風速50メートル以上の台風や同程度の温帯低気圧が襲来する場合を指標としています。

一方、沖縄や奄美及び小笠原諸島に関しては、本州付近よりもより強い台風の襲来する頻度が高いため、中心気圧910hPa以下又は最大風速60メートル以上の台風を指標として発表されます。

これまでに台風を要因とする特別警報は、沖縄県に2回(2014年7月に台風8号2016年10月に台風18号)発表されたことがありますが、本州付近ではまだ発表されたことはありません。

今回の台風19号があまり勢力を落とさずに本州付近に近付く場合、初めて台風を要因とする特別警報が本州付近に出される可能性も考えられ、また特別警報が出されないとしても、極めて危険な台風として接近してくる可能性が高いと思われます。

今後も最新の進路予想に注意しつつ、早め早めの防災対策や行動計画をとって頂きたいと思います。

参考:デジタル台風

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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