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台風9号、先島で最大瞬間風速75メートルの烈風予想。台風10号は定まらず

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ダブル大型台風の雲の様子(ウェザーマップ)

台風9号、先島諸島は最大瞬間風速75メートル予想

台風9号の予報円(ウェザーマップ)
台風9号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁)

大型で非常に強い台風9号が先島諸島に近付いてきました。

すでに昼頃から暴風域に入った宮古島では、午後5時半頃に、35.5メートルの最大瞬間風速を観測しています。

台風はこのあとピークを迎え、今夜遅くからあす明け方にかけて、先島諸島付近を通過している時点で猛烈な勢力となり、最大瞬間風速75メートルが予想されています。

これはまさに烈風と呼ぶにふさわしい風で、電柱や家屋の倒壊、車の横転などが起こってもおかしくない風で、風による甚大な被害の発生が懸念されます。

台風の中心が最も近づく予想の宮古島や多良間島、石垣島などでは、危険すぎる暴風に最大級の警戒が必要です。

また雨も24時間で最大400ミリが予想されており、記録的な暴風に加え、記録的な大雨となるおそれもあります

すでに石垣島などにはレベル4の避難勧告が出されています。

暗くなってからの避難はかなりのリスクを伴いますので、今からでもなるべく早めの避難を心がけて下さい。

台風10号はお盆休みに本州接近も

台風10号の予報円(ウェザーマップ)
台風10号の予報円(ウェザーマップ)

台風10号も大型で非常に強い勢力となりました。

ただこちらの台風は、引き続き、予想がかなり難しくなっています。

本州付近に猛暑をもたらしている太平洋高気圧の勢力次第で、西にも東にも北にも行くような予想だからです。

最新の進路予想では、週末にかけて、小笠原近海を北上し、週明けの火曜日には日本の南、北緯30度付近まで進んでくる予想です。

このまま中心線を伸ばすと四国へ向かう感じになりますが、まだまだそうとは言い切れません。南の海上にある直径880キロの予報円の東へ進めば関東の南、西へ進めば九州の南に進む可能性もあり、またこの予報円に入る確率は70%なので、この予報円の外に進む可能性も考えられます。

最悪は来週の半ば、お盆休みにかけて、本州付近へ北上してくるおそれもあり、今後も最新の予想に十分な注意が必要です。

もと台風8号は北海道へ

北海道の雨や風の予想(ウェザーマップ)
北海道の雨や風の予想(ウェザーマップ)

ダブル台風の他にも北海道の大雨が心配です。

台風8号から変わった低気圧があす金曜日に北海道を通過する見込みです。

雨や風の予想をみると、活発な雨雲や強い風を伴った低気圧があす午前9時には、札幌のすぐ西に近付く予想で、北海道は大荒れの天気となる所もあるでしょう。

あす午後6時までの予想雨量は最大で180ミリとなっており、北海道としては記録的な大雨となる所があるかもしれません。

土砂災害や河川の増水などに警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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