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東京都心は53年ぶりの追い上げ型の7月に?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
真夏の都心(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

真夏日、猛暑日ともに今年最多を更新

7月30日の最高気温(気象庁)
7月30日の最高気温(気象庁)

きょうは東北南部でも梅雨明けが発表され、強い日差しのもと、全国的に厳しい暑さ、猛烈な暑さとなりました。

全国926地点中777地点で30℃以上の真夏日となり、また88地点で35℃以上の猛暑日となり、ともに今年最多を更新しました

東京都心も33.6℃まで上がり、きょうで1週間連続の真夏日となりました。

一方、東京都心はきのうまで33日連続の雨を観測し、1954年に記録した32日連続を65年ぶりに更新しましたが、もしきょうはこのまま、にわか雨がなければ、この記録は33日連続でようやく途絶えることになります。

梅雨寒から一転盛夏へ

東京都心の最高気温(筆者作成)
東京都心の最高気温(筆者作成)

東京都心の今月の最高気温をみると、18日まで30℃以上の真夏日が一度もなく、19日になってようやく出現しましたが、その後、再び梅雨寒状態に戻ってしまいました。

しかし24日に真夏日となってからは、きょうまで途切れることなく1週間連続で真夏日が続いています。

そして、7月の最終日、あす31日も太平洋高気圧に覆われて、ほぼ間違いなく、30℃以上の真夏日となるでしょう。しかも気象庁の予報では今年一番となる34℃が予想されています。

では過去の7月において、こんな真夏日の少ない梅雨寒状態から今年のように一気に追い上げをかけるような年はあったでしょうか?

調べてみました。

53年ぶりの追い上げ型の7月か

7月上・中旬の真夏日が1日以下の年(筆者作成)
7月上・中旬の真夏日が1日以下の年(筆者作成)

今年と同じように7月上旬から中旬にかけて、真夏日日数が1日以下の年を調べてみると観測開始(1876年)以来、今年を含めて25回もありました。

ただそのほとんどはまだあまり都市化の進んでいなかった1950年代よりも前の記録で、平成以降では今年でわずか2回目となります。それだけ近年は今年のような梅雨寒の年が出現しにくいということが言えるでしょう。

では今年のように一気に追い上げをかける7月はいつ以来なのか?

あす31日も真夏日となることを想定すれば、下旬になってからの真夏日日数は上図の通り8日となり、これを上回る年は最近で1966年の9日となります。

つまり53年ぶりです。

もちろん暑さの取り方には色々ありますので、限定するわけではありませんが、上旬・中旬から下旬にかけての真夏日の急増という面では、今夏の7月は53年ぶりの追い上げ型ということが言えるかもしれません。

また過去にはすごい記録があるもので、1953年、1882年は真夏日0から下旬は10日も出現しており、特に1883年に至っては真夏日0から11日、つまり下旬すべて真夏日となった年もありました。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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