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”新年度寒波”のトンネルようやく抜ける

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ソメイヨシノ満開(写真:つのだよしお/アフロ)

記録的に強かった”新年度寒波”

上空の寒気、実況と予想(ウェザーマップ)
上空の寒気、実況と予想(ウェザーマップ)
上空5500メートルの寒気(ウェザーマップ)
上空5500メートルの寒気(ウェザーマップ)

予想した通り、新年度に合わせるように4月としては記録的に強い寒気が上空に流れ込んできたため、ここ数日間は各地で冬に戻ったような寒さとなり、日本海側を中心に季節外れの大雪となった所もありました。

けさ(水)9時、上空の強い寒気の中心は東日本から北日本へ移りつつありますが、茨城県館野上空約5500メートルでは-34.3℃を記録し、これは平年より14.3℃も低く、館野の4月としては、観測史上3番目に低い記録です。

この寒気の影響で、けさは東京都心の最低気温が2.7℃まで下がり、昨日も2.3℃を記録していますので、これで2日連続で3℃未満となりました。

4月に2日連続で3℃未満の冷え込みを記録するのは、過去最も遅い雪を観測した2010年(4月16日~17日)以来、9年ぶりのこととなります。

東京都心以外でも4月とは思えないような冷え込みとなった所も多く、 全国の10地点で4月としては観測史上1位の低温を記録し、さらに群馬県藤原や福島県只見では24時間の降雪量が50センチ以上に達するなど、気温や雪に関する多くの記録が更新されました。

この”新年度寒波”ですが、今後は日本の東に徐々に抜けていき、あす(木)の夜になると上空の気温はほぼ平年並みまで回復する見込みで、その後は冬モードから春モードへ一転しそうです。

冬一転、春本番の陽気へ、桜前線も北上

週間予報(ウェザーマップ)
週間予報(ウェザーマップ)

あすの朝はまだ冷え込む所が多いものの、日中は久しぶりに気温が上がっていくでしょう。東京は3日ぶりに15℃を上回りそうで、あさって(金)以降は20℃前後の暖かさが続く見込みです。

また仙台はきょうまで5日間、最高気温が10℃に届きませんでしたが、あす以降は15℃前後のポカポカ陽気が続く見込みです。

桜前線は現在、北陸や関東北部を北上しており、この”新年度寒波”により、やや足踏み状態となっていましたが、今後は順調な北上に転じ、あと数日以内に福島や仙台などからも開花の便りがあるものと思われます。

いよいよ桜前線は陸奥入りとなりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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