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東京マラソンは冷たい雨回避?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
2018年の東京マラソン(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

雨域の広がりが半日以上遅い計算に

3月3日の低気圧や降水量予想(ウェザーマップ)
3月3日の低気圧や降水量予想(ウェザーマップ)

今年で13回目を迎える東京マラソン

その開催日の3月3日(日)はちょうど低気圧が本州付近を通過し、9年ぶりに冷たい雨の中でのレースになると思われましたが、少し様相が変わってきました。

きのう(24日)発表されたコンピュータの計算では、3日の朝までに低気圧や前線に伴う降水域が関東地方まで届いており、午後3時には本降りとなるような降水量も示されていました。

ところがきょう発表された最新の計算結果では、低気圧の進み具合がかなり遅くなり、3日の朝はもちろん、午後3時になっても関東へは降水域がほとんどかからない予想となりました。

きのうときょうの同時刻の予想をみてもその差は歴然。

関東に降水域がかかり始めるのは3日の夜になってからで、きのうの計算より半日程度も雨の降り出しが遅くなる計算となっています。

これは本州付近で高気圧がやや強まるため、西から近付く低気圧が遅くなったためだと思われます。

もちろん今後も計算変わりがあるかもしれませんので、あまり一喜一憂は出来ませんが、東京マラソンにとってはきのうの予想よりも確実に良い方向へかじを切ったとみて良さそうです。

3日の雨は夜以降に

雨の可能性も減少へ(ウェザーマップ)
雨の可能性も減少へ(ウェザーマップ)

ウェザーマップによる天気予報では、きのうは3日の予報が曇り時々雨で、降水確率は80%と出されていましたが、けさ発表された予報では曇り一時雨、降水確率も59%と減少に転じており、この雨も夜に入ってからの雨という計算でしょう。

後ろにずれた分だけ、4日の予報が曇り時々雨、降水確率は90%となっています。

気温に関して言えば、あまり上がらず10℃位の予想ですから、雨が降らずに10℃位ならば、トップランナーにとってはかなり良いコンディションなのではないかと思われます。

ただ低気圧の進み方が早まったり、関東の南に別の雨雲が発生し、北上する可能性も残っていますので、まだこれで決定というわけではもちろんありませんが…。

もし冷たい雨なら9年ぶり

東京マラソンは春先に行われることが多く、このため冬の季節風が強かったり、春の南風が強かったり、ポカポカ日和だったり、あるいは冷たい雨が降ったりと、様々な天気の中で開催されてきました。

なかでも冷たい雨に見舞われたのは2007年の第1回開催2010年の第4開催。ともに南岸低気圧が通過し、特に2010年は雪が混じるほどの凍てつく寒さとなりました(この年は津波警報が発表されている中での開催でもありました)。

今年はここまでの寒さは今のところ想定されないものの、2010年以来9年ぶりに冷たい雨の中での開催となるかもしれません。

参考:2015年2月20日の記事2017年2月24日の記事

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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