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二つの寒波の特徴は?ホワイトクリスマスは?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
ホワイトクリスマスのイメージ(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

二つの寒波の特徴は?

二つの寒波(筆者作成)
二つの寒波(筆者作成)

このところ全国的にみると気温は平年より高めで、日本海側の雪も平年と比べてほとんどの所で少なくなっています

ところが、これから年の瀬にかけて、二つの寒波が流れ込みます。

一つ目は24日(月)のクリスマスイブ。

地上でも降れば雪となる目安の上空1500メートル付近で-6℃以下の寒気が北日本から東日本まで南下してきます。

ところが西日本にはあまり南下してきませんので、この寒気は北日本が中心の寒気流入だと言えます。

しかも25日(火)にはもう抜けていきますので、クリスマス寒波というよりは、”クリスマスイブ寒気”という方が正解なのかもしれません。

とは言え、北日本では一過性でも強い寒気に覆われ、風も強く、吹雪く所がありそうですから、注意が必要です。

二つ目は28日(金)頃に流れ込むもの。

クリスマスイブ寒気と違い、上空1500メートル付近で-6℃以下の寒気が西日本まですっぽりと覆っている様子が伺えます。

これはまさに年末寒波の襲来と呼ぶにふさわしいものです。

この寒気はほぼ全国的に平年より10℃前後も低く、師走としては過去最強クラスとも呼べるようなもので、九州など西日本の平地でも雪が舞い、山間部を中心に積雪する可能性があります。

年末寒波は28日(金)~29日(土)頃を中心に、年明けまで居座る予想ですから、北日本から西日本にかけての日本海側や本州の山沿いを中心に、大雪や吹雪(猛吹雪)、路面凍結に伴う交通障害などに警戒するとともに、厳しい寒さにも十分ご注意下さい。

ただ雪不足のスキー場にとっては年始にかけて、恵の雪となるでしょう。

例年通りのホワイトクリスマスに

24日と25日の天気(ウェザーマップより)
24日と25日の天気(ウェザーマップより)

今年のホワイトクリスマスはどこで楽しめるでしょうか?

まず24日(月)のクリスマスイブですが、クリスマスイブ寒気の影響で、新潟から北海道にかけての日本海側で雪が舞い、ホワイトクリスマスとなる予想です。

さらに25日(火)のクリスマスは気圧の谷の通過で、東北の山沿いを中心とした北日本で雪が降り、ホワイトクリスマスとなる予想です。

いわば例年通りのパターンとも言え、太平洋側で雪の降る所はほとんどないと言えるでしょう。

ちなみに東京都心でクリスマスに雪が降ることはほとんどなく、最後に降雪を観測したのは、クリスマスイブが53年前の1965年、クリスマス当日が34年前の1984年となっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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