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台風26号、35年ぶりの復活猛烈台風に

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風26号の雲の様子(ウェザーマップ)

再び猛烈な勢力に

台風26号の予報円(ウェザーマップ)
台風26号の予報円(ウェザーマップ)

台風の最新情報(気象庁発表)

台風26号は、おととい木曜日の未明に、中心気圧905hPa、最大瞬間風速85メートルという猛烈な勢力でサイパン島付近を直撃しました。

その後はやや勢力が衰え、非常に強い勢力で太平洋を西寄りに進んでいましたが、きのう金曜日の午後から再び発達傾向を示し、きょう午前9時に、中心気圧915hPa、最大瞬間風速75メートルの猛烈な勢力に復活を遂げました。

台風におけるいわば最盛期の状態とも言うべき猛烈な勢力になるのはフィリピンの東の海上であることが多く、その後北緯20度以北へ移動したり、フィリピン方面へ移動するなどするため、いったん衰えた後はなかなか再発達を遂げるのは難しいものです。

台風の強さ(最大風速)の統計がある1977年以降で、猛烈な台風は94個発生していますが、このうち猛烈な勢力から一度非常に強い勢力以下に衰え、そこから再び猛烈な勢力へ発達した台風は今回の台風26号で、わずかに4個目となります。

しかも1977年5号、1983年5号、1983年10号に次ぐ4個目ですから、実に35年ぶりに猛烈な勢力へ復活を遂げた台風と言うことになります。

タイトル画像にもあるとおり、きのう金曜日の午前9時には台風の眼がほとんど確認出来ませんでしたが、きょう土曜日午前9時には明瞭な眼が再び現れており、台風の勢力が再び強まった様子がうかがえます。

なお台風26号は今後猛烈な勢力を維持したまま西進を続け、来週火曜日~水曜日にかけて、フィリピン北部のルソン島付近を通過する予想です。その後、南シナ海へ進んだ後の進路予想はまだ不確実で、ことによると台湾方面へ転向してくる可能性も残っていますので、引き続き、沖縄方面は今後の動きに注意が必要です。

なお過去の猛烈な台風に関してはデジタル台風を参考に致しました。

また台風26号は速報値で、今後確定値で修正される可能性もあります。

南は台風、北は寒気

寒気や太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)
寒気や太平洋高気圧の予想(ウェザーマップ)

来週前半も南の海上は、太平洋高気圧や台風という、いわば夏季の状態がまだ続いていますが、北からは寒気が南下する予想で、確実に冬季の足音が聞こえてきそうです。

来週火曜日には北海道の上空5500メートル付近に-30℃以下という冬将軍の先陣を切るような寒気が流れ込んでくるでしょう。

北海道の平地でも初雪か?

上空5500メートル付近の気温と平年差(ウェザーマップ)
上空5500メートル付近の気温と平年差(ウェザーマップ)

火曜日に北海道付近に流れ込む寒気は平年より10℃近く低く、12月上旬~中旬頃に匹敵する寒気となります。

この影響で、北海道は火曜日~水曜日にかけて、旭川などの平地でも初雪が降るかもしれません。

また東北地方でも標高の高い所では雪が降り、積雪状態となる恐れがあるため、きのう早々と雪に関する情報が出されました。

北日本以外でも、来週中頃にかけて、いっそう秋が深まることとなりそうですが、寒気の南下は一時的で、来週後半以降はしばらく平年より高めの気温傾向が続く予想です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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