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台風26号、転向するタイミングが鍵に?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風26号の雲の様子(ウェザーマップ)

過去最多、7個目の猛烈な勢力へ発達する見込み

台風26号の予報円(ウェザーマップより)
台風26号の予報円(ウェザーマップより)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風26号は発達しながら日本のはるか南東の海上を西寄りに進んでいます。

今後も非常に暖かな海面上を進むため、顕著に発達することはほぼ確実で、気象庁の予想でも金曜日までには中心気圧915hPa、最大瞬間風速75メートルの猛烈な勢力へ発達する見込みです。

もし猛烈な勢力となれば、今年発生した猛烈な台風は7個目となり、統計のある1977年以降では、1983年の6個を更新し、最も多くなります。さらに1977年以降では94個目の発生となり、単純には年間発生数が2.2個程度となりますので、今年は3倍以上の発生数ということになります。

台風にしてみれば発達しやすい環境の場が多かったのかもしれません。

今後、猛烈な台風となるか?まずは注目です。

合同台風警報センター(JTWC)の予想では?

JTWCによる台風26号の進路予想
JTWCによる台風26号の進路予想

参考までに米軍の合同台風警報センターの予想をみると、気象庁とほぼ一致しており、土曜日には最大瞬間風速80メートル程度のスーパー台風となって、日曜日には日本の南海上に達する予想です。

日本に近付くとすれば転向するタイミングが鍵に?

台風26号、太平洋高気圧、偏西風の兼ね合い(ウェザーマップより)
台風26号、太平洋高気圧、偏西風の兼ね合い(ウェザーマップより)

台風26号は顕著な発達を遂げた後、日曜日には日本の南方海上付近に到達している可能性が高いと思われます。

ここまでくるといつ日本付近へ北上してくるか?ということにもなりますが、もしすぐにでも北から北東に転向すれば、偏西風帯は日本の南まで南下していますので、本州付近に近付くことは至難の業となるでしょう。

ところが小笠原付近の高気圧に押されて西進を続け、沖縄の南辺りまで進んだ後に転向すれば、計算によっては偏西風が南北に突っ立つような流れとなる可能性もあり、この流れに乗れば、本州付近へ北上傾向を示す可能性もなくはない状況です。

この場合は来週の半ば以降に影響が出るタイミングとなります。

ちなみにこの時期に北緯20度を超えてまっすぐ台湾方面へ進む可能性はかなり低いとみられますが、北緯20度以南を西進し続ければ、大陸方面へ抜ける可能性も考えられるでしょう。

今後も太平洋高気圧や偏西風などの兼ね合いにより台風の進む場が変わる可能性がありますので、最新の台風情報にご留意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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