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来週は関東も梅雨入りへ。“台風”が北上する可能性も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
2日午前9時の雲の様子(ウェザーマップより)

台風の卵発生へ

実況天気図と予想天気図(気象庁発表資料に加工了承済み)
実況天気図と予想天気図(気象庁発表資料に加工了承済み)

タイトル画像にもあるとおり、現在フィリピンの周辺で広く雲がわき始めており、この内、黄色い丸で囲んだ2つの領域で台風の卵が発生しかけています。

けさ3時の実況天気図をみると、左側の丸の中に相当する南シナ海にLマークがあり、これは低圧部と呼ばれるもので、周囲より気圧が低いものの、循環が弱くて、中心が特定できないところに解析されます。

いわば初期段階の台風の卵といった感じです。

今夜9時の予想天気図をみると、その低圧部は中心が特定出来る熱帯低気圧へとやや発達し、右側の丸の中(フィリピンの東)の雲も低圧部に変わる予想です。

フィリピンの周辺で熱帯低気圧や低圧部が発生するとそのまま台風へと発達することも多く、さきほど気象庁から南シナ海の熱帯低気圧は今後24時間以内に台風に変わる見込みという情報が発表されました。

フィリピンの東にある雲域でも今後台風へ発達する可能性があると思われます。

来週は梅雨前線+台風の大雨型?

週間アンサンブル予想図(気象庁発表資料に加工了承済み)
週間アンサンブル予想図(気象庁発表資料に加工了承済み)

気象庁は週間アンサンブル予想図というものを発表しています。

これはいくつも計算される予想天気図を平均化した天気図といったところですが、これによるとフィリピンの東で発生する台風の卵に相当する熱帯擾乱が来週の水曜日~木曜日頃、沖縄の南に進み、金曜日~土曜日頃に沖縄周辺へ北上する予想となっています。

ちなみにこれは平均をとったものなので、個々の計算結果をみてみると、おそらく台風としてかなり発達させながら日本列島を目指しているものや日本の南を東進するもの、あるいは中国大陸へ到達するものなど様々ある状態ですが、最悪は列島上に到達するような計算も出始めています。

またアンサンブル予想図にある網掛け部は降水域を予想したものですが、梅雨前線に相当する降水域が火曜日~水曜日に本州付近に広がったあと、台風とみられる降水域が日本列島にかぶさるような予想ともなっています。

おそらく来週の中頃は梅雨前線が西から北上し、関東や近畿などでも梅雨入りが発表されると思いますが、その後、梅雨前線+台風という典型的な大雨パターンへと変わっていく可能性も考えられます。

まだ台風すら発生していない段階で、議論するには早計かもしれませんが、最悪は梅雨入り早々、大雨などの荒天に見舞われる可能性もありますので、今後の情報に注意して頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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