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東京都心、未だ9月の真夏日なし。もしこのままなければ49年ぶりの記録に。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
9月に入っても不順な天気の東京(イメージ)(ペイレスイメージズ/アフロ)

9月のスタート1週間は真夏日なし

東京都心の最高気温(気象庁のデータをもとに筆者が作成)
東京都心の最高気温(気象庁のデータをもとに筆者が作成)

失速した感じのある今年の夏ですが、8月下旬になって盛り返し、東京都心は8月21日~30日まで10日連続の真夏日となりました。

しかし、8月31日に冷たい空気に入れ替わった後、9月に入っても雨の降る日が多く、きょう7日現在、まだ30℃以上の真夏日は1日もありません。

(きょう7日の最高気温は16時までに24.0℃)

今後の東京の予報(気象庁とウェザーマップ)
今後の東京の予報(気象庁とウェザーマップ)

きょう発表された気象庁の週間予報でも9月14日までの期間で30℃以上の予想はなく、もし仮に9月1か月間を通して、真夏日が1日もなければ1968年以来、49年ぶりの記録となります。

ただ向こう1週間も晴れ具合によっては30℃を超える日が出る可能性があり、また9月後半でも平均すれば2日程度は真夏日が出現していますので、このまま全く真夏日がないということは考えづらいと思いますが・・・。

9月の真夏日の出現について

東京都心の9月の真夏日日数(気象庁のデータをもとに筆者が作成)
東京都心の9月の真夏日日数(気象庁のデータをもとに筆者が作成)

東京都心における真夏日の統計は1876年(明治9年)からあります。

9月に注目すると、月間で10日以上も真夏日があるいわゆる残暑の厳しい9月は明治~昭和(1876年~1988年)までで計18回しかなく、平均すれば6年に1回程度の出現率でした。

ところが平成(1989年~2016年)に入ってから都市化や温暖化の影響で一気に増加しており、28年間で計14回、平均しても2年に1回程度は出現している計算です。

平成に入ってからの9月の真夏日の統計

平成に入ってから9月の真夏日日数は計248日あり、平均すれば毎年9日程度出現している計算です。

これを9月前半と後半(1日~15日、16日~30日)に分けると、前半は約7日、後半は約2日となっています。

つまり9月前半は2日に1回程度は真夏日があるのに対し、後半は1週間に1回程度しか出現しなくなっています。

これはだんだん日差しの力が弱まっていくとともに、大陸から冷たい空気が流れこみやすくなっていくためです。

まさに「暑さ寒さも彼岸まで」といったところでしょうか。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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