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台風15号、週末に関東や北日本へ近付く恐れも

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風15号と熱帯低気圧の雲(ひまわり8号より、29日午前3時)

西寄りに進むと関東や北日本へ近付く恐れも

台風15号の予報円(29日午前3時現在)
台風15号の予報円(29日午前3時現在)

最新の台風予報円(気象庁)

きのう(月)午後3時に発生した台風15号は日本のはるか南東の海上をゆっくりと北寄りに進んでいます。

最新の予報円によると、台風は勢力を強めながら北から北西方向へ進み、金曜日頃(9月1日)にかけて、小笠原近海を北上する見込みです。

時速10キロ程度のかなりゆっくりとした速度で北上するため、小笠原諸島は長い時間、台風の影響を受ける恐れがあります。

その後週末(9月2日~3日頃)にかけて日本の東海上を北上する見込みですが、西よりのコースを取ると関東や北日本の太平洋側にかなり近づきながら北上する恐れもあります。

また陸地から離れて通る場合でも、今回の台風は勢力が強く、今年一番の大きな台風へ発達する恐れがあるため、海上は大荒れとなり、沿岸部を中心とした陸地でも強い風が吹き、強い雨が降るかもしれません。油断禁物です。

最新の台風情報に十分ご注意下さい。

海水温30℃以上のところを北上

台風15号は海水温のかなり高い海域を北上へ
台風15号は海水温のかなり高い海域を北上へ

現在、日本の南海上はかなり海水温が高くなっています。

今月上旬、日本の南をウロウロした”長寿台風5号”により、一旦海水温が下がったのですが、お盆以降、太平洋高気圧の圏内に入り、強い日射で暖められ、現在は北緯30度付近まで30℃以上ある状態です

これは平年より2℃以上も高く、極めて高い状態と言えます。

台風15号はこの極めて高い海水温の海域を北上するため、水蒸気の補給を盛んに受けて、勢力の強いかなり大きな台風へ発達する恐れがあります。

今年初の大型台風へ発達か?

31日21時の予想図(GSMモデル、台風予報ではありません。)
31日21時の予想図(GSMモデル、台風予報ではありません。)

今年はこれまでに比較的多くの台風が発生していますが、その多くは比較的コンパクトな台風で、まだ大型の台風は一つも発生していません。(速報値より)

しかし台風15号はもともと広い範囲で気圧が低く、かなり大きな構造を持った台風で、今後はさらに強風域が広がり、今年初めての大型の台風へ発達する可能性があります。

あさって(木)には台風を取り巻く1000hPaの等圧線(強い風の領域に相当)は直径1000キロ程度に達する予想です。(GSMモデルより)

このため、例え台風が離れて東の海上を北上しても、関東や東北の太平洋側では風が強まり、海上は大荒れとある恐れがあり、全く油断できません。

さらに台風16号も発生か?

フィリピンの東海上に熱帯低気圧が発生しています。

今後24時間以内に台風へ発達する見込みで、そうなれば台風16号ということになるでしょう。

なお、今のところ、フィリピン方面へ向かう可能性が高いものと思われます。

*最新の状況をふまえ、タイトルと内容の一部を変更しました。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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