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台風21号発生。週末にかけて日本の南海上へ北上。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

再び日本列島を狙いやすい位置で発生

台風21号は日本の南へゆっくり北上(23日午前3時現在)
台風21号は日本の南へゆっくり北上(23日午前3時現在)

最新の台風の予報円(気象庁HP)

今年はエルニーニョ現象の影響で、台風の発生位置が日本のはるか南東海上にずれていたのですが、ここにきて台風18号、20号、21号と立て続けに日本のすぐ南海上で発生する状態が続いています。台風21号も早ければ数日~5日程度で日本列島を狙える位置で発生したということが言えます。

ただ、今回の台風21号は台風を押し流す上空の風が弱い(太平洋高気圧が弱い)ため、比較的ゆっくりとした速度で北上し、土曜日~月曜日にかけて、日本の南海上へ北上してくる見込みです。

その後はおそらく日本付近に南下してくる偏西風の南端に乗り、日本の南海上から東海上へ進む可能性が高いと思われますが、仮に太平洋高気圧が強い場合や偏西風の南下が弱い場合は、週明けにかけて本州付近へ近付く可能性も否定できないため、最新の台風予報にご注意下さい。台風が発生したばかりの進路予想はその後、大きく変わる可能性がありますので、特に注意が必要です。

週末の秋雨前線を活発にする可能性も

今週末は秋雨前線の影響で、全国的に雨が降りそうですが、この秋雨前線に向かって南海上の台風21号から湿った空気が流れ込む可能性があります。このような場合は、台風が南海上にかなり離れていても、本州付近で大雨となる可能性が出てくるため、台風が遠く離れていても油断は出来ません。

先日、大雨による大きな災害を受けた茨城県や栃木県、福島県、宮城県などは、早ければ金曜日から雨が降り出し、土曜日~日曜日にかけて、まとまった雨が降る計算もあるため、今後の雨の情報には十分な注意が必要です。

また今週末は運動会の所も多くなりますが、関東など、東日本を中心に、土曜日、日曜日ともに雨に降られてしまう可能性もありそうで、このあたりも早めの想定をしておいた方が良いかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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