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台風20号発生、シルバーウィークに日本列島へ影響する可能性も

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

日本列島を狙いやすい位置で発生

台風20号は小笠原から日本の東へ進む予想(16日午前3時現在)
台風20号は小笠原から日本の東へ進む予想(16日午前3時現在)

最新の台風情報(気象庁発表)

グアム島の東で発生した熱帯低気圧が発達し、きょう16日(水)午前3時に台風20号となりました。この台風が発生した場所は、過去に幾度となく、多くの台風が日本列島に向けて接近、あるいは上陸をしている地域で、いわば日本列島を最も狙いやすい地域の一つで発生したことが特徴として挙げられます。

台風20号はシルバーウイークに向けて北上

今後台風20号は北上してくる予想ですが、当面の進路を決定するのは、いつも通り、その前面を覆っている太平洋高気圧の振る舞い次第ということになります。

現在は日本の東から小笠原、そして日本の南にかけてベルト状に覆っているため、台風はこの南端を西進しそうですが、週末にかけてはこの勢力がやや衰える予想で、この高気圧の衰えた(弱まった)場所に入り込むように北上してくる予想です。

この衰えた場所が小笠原付近ならば、台風は小笠原からそのまま日本の東へ北東進する可能性が高く、日本の南ならば本州付近に向かって北上してくることも考えられます。

今のところ、予報円からは小笠原付近を北上して北東進する可能性が高いと思われますが、もし西よりのコースを進んだ場合は関東などへ向けて北上してくる可能性も考えられます。もし関東に近付くような場合だと、タイミング的に今週末~来週前半にかけて(日曜日~月曜日頃)の可能性が高く、秋の大型連休(シルバーウィーク)とちょうど一致してしまうかもしれません。

週末以降の予想位置にはまだかなりブレがありますので、なるべく最新の予報を頼りにして下さい。

台風が離れて通っても、過ぎ去るまでは要注意

今のところ、台風が予報円の中心を通ると、本州付近にはあまり近付かない予想ですが、離れて通る際も、秋雨前線が停滞していたり、上空に寒気が南下してくるような場と重なれば、台風からの暖湿流の影響を受けて、大雨が降りやすくなることも考えられます。

先週の大雨で甚大な被害を受けた関東北部や東北南部などは、あす17日(木)~あさって18日(金)にかけてのまとまった雨にも警戒しなければなりませんが、来週前半にかけては、台風20号の動向、影響にも十分な注意が必要です。

*台風進路図中の父島と母島の位置を加筆、修正致しました。(17日午前9時)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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