Yahoo!ニュース

台風16号は猛烈な勢力で小笠原へ、台風15号は沖縄へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

台風15号と台風16号の姿

鋭い眼を持つ二つの台風(19日午前3時、気象庁HPより)
鋭い眼を持つ二つの台風(19日午前3時、気象庁HPより)

先週土曜日(15日)、二つ同時に発生した台風はともに同じような発達の仕方をしており、雲の様子からも鋭い眼を持つ勢力の強い台風だということが分かります。

きょう(19日)午前3時の段階で、ともに非常に強い台風となっており、特に台風16号は大型の台風に発達しています。今後台風16号は台風の中で最も勢力の強い猛烈な強さに発達する見込みで、この勢力を維持しながら小笠原に近付くおそれがあります。

では最新の予報円に基づく、今後の進路予想をみてみましょう。

台風16号は猛烈な勢力で小笠原接近か?

台風16号は猛烈な勢力で父島に接近のおそれ(19日午前3時現在)
台風16号は猛烈な勢力で父島に接近のおそれ(19日午前3時現在)

台風16号は今後猛烈な勢力に発達し、小笠原(父島)に向けて北西へと進む予想です。

72時間後(土曜日午前3時)の予報円は父島のすぐ近くに達していますが、この時点での勢力予想は915hPa、最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルと猛烈な勢力を維持しながら父島に近付く予想です。

台風による特別警報発表の指標(気象庁HPより)
台風による特別警報発表の指標(気象庁HPより)

過去の例から猛烈な勢力のまま3日間も進むというのはあまりありませんが、もし予想通りの勢力で小笠原に近付くことになると、小笠原の特別警報の基準に匹敵するような勢力での接近もあり得ます。小笠原の台風特別警報の指標は中心気圧910hPa以下、または最大風速60メートル以上となっています。いずれにしても小笠原は週末~週明けにかけて、暴風や高波などに厳重な警戒(最大級の警戒)が必要となりそうです。

なお、台風16号は小笠原を通過した後北寄りに進路を変え、週明けには関東の南東海上へ北上する見込みですが、関東などへどこまで近付くかは微妙な状況です。仮に近付く場合は、火曜日~水曜日頃(25日~26日頃)の可能性が高いようです。

台風15号は沖縄接近か?

台風15号は週末~週明けに沖縄に接近するおそれ(19日午前3時現在)
台風15号は週末~週明けに沖縄に接近するおそれ(19日午前3時現在)

一方、台風15号は金曜日まで西寄りに進んだ後北寄りに進路を変えて、予報円の真ん中を進むと、週末~週明けにかけて石垣島など先島諸島に近付く見込みです。ただ、5日後(月曜日)の予報円の直径は1000キロ以上あり、早く進めば沖縄本島や九州接近のおそれもある一方で、遅く進めばまだ台湾付近にとどまっている可能性もあります。

ただこれまでの予想よりは沖縄方面に転向する可能性が大きくなったことは間違いなく、沖縄は週末~週明けにかけて大きな影響を受ける見込みです。

なお、二つの台風が上空の流れをかき乱し、今後の進路予想が変わる可能性もありますので、いつも以上に最新の情報にご留意下さい。

最新の台風予報円(気象庁発表)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事