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花粉の季節はもう間もなく

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

来週以降は要注意

環境省が発表している今春のスギ花粉の飛散開始日予測は以下の通りとなっています。

今春のスギ花粉飛散開始日予測(1月29日環境省発表)
今春のスギ花粉飛散開始日予測(1月29日環境省発表)
東京都健康安全研究センターによる都内の飛散開始日予測
東京都健康安全研究センターによる都内の飛散開始日予測

環境省発表の花粉情報(1月29日発表)

東京都健康安全研究センターの花粉情報

九州北部にある赤い地域は2月上旬ごろに飛散開始となる予想で、その予想通り、今週初め2月2日~3日ごろに福岡市や長崎市などの一部でスギ花粉の飛散が始まったようです。

関東~九州にかけての多くの所では2月中旬ごろに飛び始める予想で、来週から再来週にかけてという所が多くなりそうです。

(東京都の発表によると、都内での飛散開始日は2月13日~17日ごろの予想です。)

その後、2月下旬ごろには北陸や東北南部でも飛び始め、3月に入ると東北北部まで広がる予想となっています。

ただ、スギ花粉の飛散開始時期は直前の気温や雨、雪などの気象条件の影響を受けることが多く、予想と比べて1週間以上前後にずれることもよくあります。この先も寒さが続けばもっと遅くなる可能性がありますが、急に暖かくなる場合や風の強い日などは来週以降注意が必要と言えそうです。

東日本や北日本で去年よりかなり多い

花粉の飛散量は前年の夏の暑さや日照時間に大きな関係があることが知られています。

前年の夏が暑ければ暑いほど、また日照時間が多ければ多いほど花芽の量が増加し、その翌年に多くの花粉を飛ばす傾向にあるのです。

では、去年の夏はどうだったでしょうか?

去年の夏の平均気温の平年差(気象庁発表)
去年の夏の平均気温の平年差(気象庁発表)

西日本では11年ぶりの冷夏となり、日照時間も大変少なくなりました。その一方で東日本や北日本では夏らしい厳しい暑さとなりました。この傾向からすれば、今春の花粉量は、西日本では全般に少なく、東日本や北日本では多くなることが予想されます。

実際に環境省が発表している花粉の飛散量予測もほぼその通りの傾向となっています。

環境省による今春の花粉の飛散量予測

去年と比べて、鹿児島35%、福岡57%、高知18%など。ただし、去年少なかった所では増える所もあり、広島161%、大阪127%などとなっています。

一方、東日本から北日本にかけては去年の数倍の所が多く、名古屋356%、福井473%、東京188%、水戸862%、仙台630%などとなっています。

今春の花粉は東日本や北日本で十分な警戒が必要なことはもちろん、去年より全般に少なくなる予想の西日本でも、花粉症患者にとって大きな影響があるとされるシーズン2000個以上の飛散となる所がほとんどですから、油断は禁物と言えるでしょう。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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