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3月上旬の寒さと上空寒気

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

3月10日の上空寒気と3月上旬の寒さの簡単なまとめです。

今シーズン一番の低温を観測

3月9日の寒気に関する記事

非常に強い寒気の襲来により、本州の上空約5000mでは、今シーズン一番の低温を観測しました。以下にまとめておきます。

上表が3月10日以前の今シーズンの低温記録で、下表の青文字が3月10日に更新された値です。秋田の-42.5℃は3月の6位、輪島の-40.3℃は3月の5位の低温記録となります。(速報値で、後に修正の可能性もあります。)

3月10日以前の今シーズンの低温記録
3月10日以前の今シーズンの低温記録
3月10日に更新された低温記録(青文字)
3月10日に更新された低温記録(青文字)

この寒気により、日本海側の山沿いでは、広い範囲で24時間に30~50センチ程度の大雪となりました。しかし、日本海の海水温が最も低い時期のため、雪雲の発達は比較的抑えられ、警報級となった所はほとんどありませんでした。

3月上旬の低温(東京は30年ぶりの低温)

東京は3月上旬の平均気温が6.2℃で2011年の6.3℃を下回りました。わずかではありますが、データ上からは1984年の5.2℃以来、30年ぶりの寒い10日間となりました。また、3月上旬の気温は全国的に平年より1℃以上低く、特に関東北部~甲信地方、北海道渡島半島周辺などで2℃以上低くなりました。

3月上旬の平均気温(東京)
3月上旬の平均気温(東京)
全国の3月上旬の平均気温
全国の3月上旬の平均気温

来週初めまでは寒暖差が激しい

今後は寒気が抜けて、東~西日本では15℃以上の日も出現しますが、来週初め(3月18日位)頃までは、寒暖差の激しい状態が続くでしょう。

その後は春の暖かさが安定して、桜の開花へと一気に進んでいくことになりそうです。

しかし、いよいよ花粉は最大のピークへと突入するでしょう。

気象庁発表、週間予報

ウェザーマップ発表、桜の開花予想

ヤフー花粉情報

(上図は気象庁発表資料に加工は了承済み)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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