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今週は首都圏でも花粉に注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
今年の花粉は昨年よりは少ないものの要注意なレベルです。

寒さと雪の影響で難しく

東京都内では当初2月15日前後にスギ花粉が一斉に飛び始める予想でした。

都内のスギ花粉飛散開始予想

しかし、1月下旬頃の暖かさにより、都内の一部(千代田区と大田区)では予想以上に早く2月2日に飛散開始となり、記録の残る昭和60年以降では、平成9年の1月31日、平成元年と昭和63年の2月1日に次いで、過去3番目に早い記録となりました。

都内における飛散開始速報

ただ、その後は立春寒波の影響により寒さが厳しく、度重なる大雪の影響もあって、ほとんど飛んでいないか、ごくわずかにしか飛んでいない状態が続いています。

このように、スギ花粉の飛散開始時期は直前の寒さや雨、雪などの影響を受けることが多く、今年のように1週間以上前後にずれることもよくあるのです。

今週は首都圏でも本格飛散へ

上記のように、これまでおとなしかったスギ花粉ですが、時期は2月下旬に入り、暖かい日があればすぐにでも本格的な飛散へと結びつく状態にあると思われます。

そして、今週はその暖かさがやってきそうです。

気象庁発表の週間予報

寒かった2月中旬が終わり、今週、気温が上昇すれば、首都圏でも一気に本格的な飛散へとつながる可能性が高いと言えるでしょう。

気象予報士による解説

環境省花粉情報サイト

過去の例から最高気温が12℃~13℃もあれば多くの花粉が飛び始め、15℃を越えるようなポカポカ陽気になると一気に大量飛散が始まるおそれがあります。

例えば、去年の東京千代田区の最高気温と花粉飛散数の推移をみてみましょう。

去年の東京の最高気温と花粉飛散数の推移
去年の東京の最高気温と花粉飛散数の推移

2月27日までは最高気温が10℃未満(左目盛り)であまり飛んでいませんでしたが、28日に15℃を越えるとともに急増し、飛散数が*100個以上の(右目盛り)爆発的な増加となりました。その後、3月上旬に20℃を越えるような記録的な高温となったため、飛散は一気に最大のピークを迎えました。

ただ、今年は今週気温が上昇するものの、週末~来週にかけて(3月上旬)は再び低温傾向となる可能性が高く、去年のような「一気に爆発型」ではなく、「だらだら増加型」となるかもしれません。

*1日の飛散数が50個以上/平方センチメートルで非常に多い飛散、100個以上/平方センチメートルで猛烈な飛散と定義されています。

スギ花粉のピークは?(環境省の予想)

九州や四国では、1月下旬~2月早々の高温により、一気に飛び始めるとともに本格的な飛散状態となりました。その後、小康状態となったものの、現在は非常に多く飛んでおり、今週(2月下旬ころ)早くも最大のピークを迎える予想です。

その他の西日本や東海、首都圏などは、3月上旬頃に最大のピークを迎える予想です。

ただ、3月に入るとともに寒の戻りがありそうで、予想よりは少し後ろに長引き、3月中旬にかけて最大のピークとなるかもしれません。その後はヒノキの花粉も加わり、3月いっぱいは多い状態が続くとみられます。

花粉症の方で、これまであまり症状の出ていなかった方でも、今後は一気に症状が悪化するおそれがあると思われます。マスクなどで十分な対策を心がけましょう。

ピーク時は雨天時以外十分注意

一般に、花粉が多く飛ぶ時間帯は昼間で、しかも暖かい日に多く飛ぶと言われていますが、ピークの時期に入ると、気温の低い日や風の強い夜間などでも大量飛散につながることがあります。ピークの時期は雨天時以外、大量飛散にご注意下さい。

過去の花粉記事

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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