【ラリー・ペイジ氏退任】クリエイティブ力を育てるGoogleのリーダーシップ

(写真:ロイター/アフロ)

こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永雄大です。

中途の人材採用支援をしつつ、月20万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、

Yahoo!ニュース上では2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。

    

米Googleの共同創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏が、それぞれ親会社アルファベットの最高経営責任者(CEO)と社長を退任するそうです。

両氏はアルファベットの取締役会で、合わせて51%の議決権を持っており、今後もブリン、ペイジの両氏は、取締役、株主、共同創業者として、これからも積極的に関与する意向を示しているそうですが、今回の突然の発表に驚かれたことと思います。

今回の問題については、米国や欧州で、会社の規模やデータの扱いをめぐるプライバシー問題、社会に与え得る影響などについて、厳しい目が向けられるようになっていることや、それによる社内でも経営側と従業員との対立が表面化などが原因ではないかとも噂されています。

      

米グーグルの持ち株会社アルファベットは3日、共同創業者のラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)とサーゲイ・ブリン社長が退任し、グーグルのスンダー・ピチャイCEOがアルファベットのCEOを兼務する人事を発表した。経営構造を簡素化する。

出典:米グーグルの創業者らが退任 ペイジ氏とブリン氏

      

ペイジ、ブリンの両氏は引き続きアルファベットの取締役として、同社の経営に対し実質的に影響力を行使できる立場にとどまる。

「会社をもっとうまく経営できる方法があると判断すれば、経営職にしがみつくようなことはしない。アルファベットとグーグルはもはや、2人のCEOは必要としない」。両氏は書簡の中でそう記した。

グーグルに対しては米国や欧州で、会社の規模やデータの扱いをめぐるプライバシー問題、社会に与え得る影響などについて、厳しい目が向けられるようになっていた。かつて同社の顔だったペイジ氏が、公の場に姿を見せることも少なくなった。

出典:グーグル共同創業者のペイジ氏、アルファベットCEOを退任

     

現在は社内での経営側と従業員との対立なども噂されているようですが、ここまでgoogleを世界最大の影響力をもつ会社に育て上げ、また様々なクリエイティビティ溢れるサービスを開発してきた彼らは、「クリエイティブ力を持った人材」を育てることに関しては超一流なのではないかと思います。

検索エンジン革命から、youtubeの買収、Googleアースの発明など、ITとビジネスの力で今の世界を作り上げてきた彼らに憧れている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、今のGoogleを作り上げたのは、この2氏だけの力だったでしょうか?実際にアイデアを生み出し実行に移したのはこの2氏だけでは実現しようもないでしょう。見込みのある人材を採用し、彼らを育て上げることも重要な要素ではないかと思います。

こちらでは普段キャリアや転職を生業とさせていただいている身として、クリエイティブ力を育てるマネジメントと言った視点で考察してみたいと思います。

      

そもそもなぜクリエイティブを育てるマネジメントが必要か?

今回テーマとした「Google流クリエイティブを育てるマネジメント」についてですが、そもそもなぜクリエイティブ人間を育てるマネジメントが必要なのか?これをきちんと理解しなければなりません。

それで言うと、時代の流れによる変化によるものだと思っています。

では、クリエイティブ力を育てるマネジメントについて説明する前に、まずはビジネスの形はどのように変化してきたののでしょうか。

どこをどう切り取るか次第で色々なご意見はあると思いますが、私自身は一言で言えば以下のような変化であると認識しています。

問題を見出す力=ビジネスでの勝利

問題を解決するのではなく問題を見出す力に価値観がおかれる時代になった

産業革命以来、日本で言えば高度経済成長期頃まで、解決すべき問題があらゆる分野で多数あった時代には、それらの問題を解決することのできる従順な人が優秀とされる時代でした。

しかし産業やテクノロジーが進化し、解決するための道具で溢れた現代には、問題を解決する人は必要ではなくなりました。

その代わりに必要になったのが、「問題を見出す力」をもった人です。

問題を見出す、という意味で「クリエイティブ」という能力が必要なんですね。

検索革命を起こしたGoogleのクリエイティブ力

    

では、具体的に問題を見出すことで成功している企業はどこでしょうか?

数多くありますが、今回取り上げたGoogleは、その一つだと思います。

例えばGoogleの「検索革命」というイノベーションは、「問題を見出す力」を物語っています。

これは何を起こしたものかというと、「権威性のあるサイトをSEOの上位にもってくる」という革命だったんですね。

これの何が優れているかというと「権威性のあるサイトが上に来ない・でたらめなサイトが検索の上位に来てしまう」という隠れた「潜在的な課題」を見出した、ということだと思います。

課題を見出したらそれを解決する手段を考えることももちろん難しいですが、潜在的な課題を見出すのも、容易いことではありません。

「こうあってほしい」という世の中に対する自分自身のビジョンを明確にし、その上で現状とのギャップから潜在的な課題を見出すという作業が必要です。

クリエイティブ力を育てるマネジメントの必要性

  

ビジネスパーソン一人一人が自身のクリエイティブを育むことはもちろん重要です。

しかし圧倒的にクリエイティブの能力のある人が必要よりも少ない現代には、管理職の人やマネージャーの方々がメンバーのクリエイティブ能力を育てた方が効率的ですよね。

さらに、今は人材の流動化が一般化し企業側もメンバーに対して提供できる価値を高めていく必要性があります。

その一つであり、現代の流れに合っているのが、「クリエイティブ力を育てるマネジメント」ではないかと思っています。

では、「クリエイティブ力を育てるマネジメント」について具体的に説明していきたいと思います。     

1.内向的リーダーであること

クリエイティブ力を育てるマネジメントの一つとして、「リーダーが内向的であること」が有意にはたらく場合があると言います。

内向的な人の要素としては、自問自答を繰り返したり物事を熟考する思考力があったり、他者を引き立てることができるという長所があります。

外向的なリーダーは、部下のアイデアよりも自分のアイディアのほうを信頼し、独りよがりになる傾向があるのに対し、内向的なリーダーは積極的な人をうまくマネジメントして、よりよいアイデアを引き出すことができるといいます。

部下のクリエイティブ力を育てたい、という場合には積極的に部下のアイデアを引き出すことが必要ですから、「内向的であること」がクリエイティブ力を育てることに繋がるんですね。

      

グラントによれば、内向的なリーダーは、積極的な人をうまくマネジメントして、よりよいアイディアを引き出すことができる。それに対して外向的なリーダーは、部下のアイディアよりも自分のアイディアのほうを信頼し、独りよがりになる傾向がある。その結果、部下の力は活かされなくなり、組織内で新たなアイディアが生まれることもまた、少なくなっていく。

出典:「弱いリーダー」というか「内向的なリーダー」が時代に合っている理由

2.クリエイティブ力を養う機会を提供すること

     

2つ目に「クリエイティブ力を養う機会を提供すること」だと思います。

ここでいう機会とは、そのためのインプットのための本の提供やセミナーの開催を考える方が多いと思います。

しかし私はそれ以上に、「アウトプットの機会」が重要だと思います。

例えばGoogleでは「20%ルール」という形で積極的にアウトプットの機会を提供しています。

20%ルールとは、就業時間の20%、週5日の労働のうちの1日分を、社員全員が自分の興味のあることへの自由研究に投資できるルールです。

Goodle社の高い生産性について注目されていますが、これは20%ルールのような「クリエイティブ力を養う機会」に楽しみを見出しているということも、関係しているのかもしれませんね。

そんな話はさておき、クリエイティブ力を養うことができるよう、会社が責任を持って教育するということも、重要な時代なのではないかと思います。 

これを機に、新たなマネジメント方法について、考え直したいものですね。