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賭けに負けた? 22戦全勝18KO「ライト級昇り竜」の次戦

林壮一ノンフィクションライター
22戦全勝18KOのWBCライト級2位、ガルシア(写真:REX/アフロ)

 ジャーボンテイ・"タンク"・デービスが6回KOでローランド・ロメロを下し、WBAライト級タイトルを防衛したのは、去る5月28日。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 リングサイドには、WBA/WBC/IBFウエルター級王者、エロール・スペンス・ジュニアと、ライト級の世界ランカー、ライアン・ガルシアの姿があった。

 22戦全勝18KOのライアン・ガルシアは、スペンスに「絶対にロメロが勝つって。2万ドル賭けようぜ」と持ち掛け、ロメロのKO負けに苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。

 実際に2万ドルが支払われたかどうかは不明だが、そのガルシアの次戦が7月16日に決定した。

 23歳のガルシアは、WBCで2位、WBAで6位、IBFでは9位にランクされている。今年、2戦目となる彼の対戦相手は、37勝(26KO)3敗1分けのドミニカ人サウスポー、ハビエル・フォルトゥナ。WBAフェザー級暫定タイトル、WBAスーパーフェザー級タイトルを得たことのある32歳だ。

写真:REX/アフロ

 ガルシアは言った。

 「一年前は幾つかの理由でフォルトゥナとの試合を躊躇していたが、全て解決した。今こそ、彼と戦う時だね。自分をサポートしてくれる友人、家族、何よりもファンに感謝したい」

 フォルトゥナも話した。

 「きっとエキサイティングなファイトになるよ。去年は実現しなかったが、今回、正式に決まって公に発表されたな。非常に幸せを感じている。勝利のために100%の準備をする。私は自分のチームを信じ、自分の手が上がるようにやっていくだけだ」

プロモーターとなったデラホーヤ
プロモーターとなったデラホーヤ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ガルシアを売り出すオスカー・デラホーヤも語った。

 「ライアン・ガルシアが世界のトップレベルにあることを、世の中に示す日がやってきましたね。彼がタフであるばかりでなく、いかなる能力を持ち合わせているかをご覧頂きたいです」

 そしてデラホーヤは、ガルシアをジャーボンテイ・デービスに挑戦させたいと正式にアナウンスした。

 激戦区ライト級は、熱いファイトが続く。生き残るのは誰か。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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