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五輪金メダリストの父を持つ24歳の6勝目

林壮一ノンフィクションライター
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 キューバのトップアマとして米国に亡命したヨエルビス・ゴメス(24)が、21日、WBCスーパーミドル級暫定王座決定戦の前座に出場し、自身6勝目を挙げた。これで戦績は6戦全勝5KO。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 現在、ラスベガスに住み、イスマエル・サラスの指導を受けるゴメスは、第3ラウンド51秒に右フックをぶち込み、対戦相手のホルヘ・コタ(34)をぐらつかせる。仕留めることは叶わなかったが、ジャッジ全員が100-90と採点したように、ワンサイドの判定で白星を挙げた。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 24歳のサウスポーは勝利後に言った。

 「この興行でメインイベント以上のインパクトを残し、自分が一番目立ってやろうと考えていました。でも、メキシコ人選手は本当に勇者ですね。コタもそうです。タフでしたし、距離感が巧みでした。まぁ、10ラウンド戦う準備もしていましたが」

 過去の5試合で4度の初回KO勝ちを収め、合計で、7ラウンドしか戦ったことのなかった彼には、貴重な経験となった筈だ。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 「明日は休日としますが、月曜日(23日)から早速次に向けて動き始めます。どうすれば自分が伸びるかを理解する、サラスと一緒に」

 ゴメスの父は、モスクワ五輪で金メダルを獲得したホセ・ゴメス・ムステリエだ。父の名声と常に比べられ、苦しみながら育った息子は、同じキューバ人のトレーナと共に、頂を目指す。

 「金メダリストの息子」という枕詞を払拭し、自身の時代を築くことを夢見るゴメス。どんな未来を創れるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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