第10ラウンド2分7秒、WBA/WBC/IBFスーパーウエルター級王者、ジャーメル・チャーロの左フックが、ブライアン・カスターニョの左頬を捉える。WBO同級チャンピオンはゆっくりと崩れ落ち、右膝を着いた。

(C)Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 立ち上がり、ふらつきながらも試合続行の意思を示したカスターニョだが、右、左、左ボディーアッパーと連打を浴び、2度目のダウン。WBOタイトルを持つアルゼンティーナは再度起き上がったが、レフェリーが試合を止めた。

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 5月14日に催されたWBA/WBC/IBFスーパーウエルター級王者、ジャーメル・チャーロvs.WBO同級チャンピオン、ブライアン・カスターニョ戦は、チャーロが10回2分33秒でKO勝ちを収め、4団体を統一した。

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 昨年7月17日の両者の対戦はドローに終わったが、今回はチャーロの圧勝だった。

 試合前、「前回の俺とは別人であることを、たっぷりと思い知らせてやる。自分はどんな試合からも学習しているんだ。以前の俺よりも強く、賢くなっている自負がある。準備期間を与えてくれたカスターニョに感謝しているよ」と語っていたチャーロだが、確かに第1戦の反省を生かした。

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 カスターニョのマネージャーであるセバスティアン・コントゥルシは、キャンプ中、「チャーロにパンチがあることは間違いない。カスターニョはディフェンス力を磨く必要がある。その点に重きを置いてトレーニングを積んできた。対策は万全だ」と話したが、カスターニョは3冠王者の重いパンチを食らいながら、削られていった。

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 カスターニョは下がらず、常に獲物を追った。一方のチャーロは足を使ってアングルを変えることを忘れなかった。CompuBox社が弾き出した数字によれば、チャーロが振るったパンチの総数は559で、ヒット数が173。カスターニョのそれは610分の194。3冠王者が繰り出したジャブは256、WBOチャンプが199。そのうちの31を当てたチャーロに対し、カスターニョは19。

 放ったパワーパンチは、チャーロが303、カスターニョが411。相手を捉えた数が勝者の142に対し、敗者が175とWBO者も健闘したが、試合を組み立てる引き出しの量でチャーロが勝っていた。

 9回までの採点は89-82、88-83、87-84と、ジャッジは3者共チャーロを支持していた。とはいえ4冠統一戦に相応しい、白熱したファイトだった。

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 35勝(18KO)1敗1分けで4冠統一王者となったチャーロは、勝利者インタビューで、「俺は伝説となった。カスターニョが全てを懸けてくることは分かっていた。だからこそ、本当にハードに練習したよ。152パウンド台まで落としたのは、その結果さ。勝つために自分を追い込んだ」とコメントし、カスターニョの右腕を上げた。

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 17勝(12KO)1敗2分けとなったカスターニョも言った。

 「我々は勇者であることを見せました。彼はチャンピオンです。私を痛めつけ、ダメージを与えました。でも、自分の体は大丈夫です」

 前出のコントゥルシも語った。

 「この階級のベストファイターである2人が、激しい打ち合いをした。チャーロは、カスターニョの予想を超えるパンチ力を備えていた。また、カスターニョは真っ正面から打ち合ったので、当然のことながら被弾してしまったね」

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 2011年6月以来、最も体を軽くしてこのリターンマッチに臨んだチャーロだったが、戦いぶりからも確かな覚悟を感じさせた。

 試合前、舌戦を見せた両者だったが、勝者が敗者を労わる様が美しかった。これがボクシングの醍醐味の一つである。