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11戦全勝7KOのライト級

林壮一ノンフィクションライター
(C) Sean Michael Ham/PBC

 デビュー以来10連勝中の新鋭、ホセ・バレンズエラと14勝(10KO)2敗のオースティン・デュレイの8回戦は、スピーディーな戦いとなった。

 互いにサウスポーの両者は、試合開始直後から鋭いジャブの刺し合いを見せる。これは五分であったが、バレンズエラはステップインが速く、リードパンチを放った後、踏み込んで左右のボディを見舞っていった。

(C) Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C) Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 ファーストラウンド1分30秒、右フック、左ストレート、右ボディアッパー、顎への左アッパーをヒットさせたバレンズエラが、早くもダウンを奪う。

 バレンズエラは、起き上がったデュレイに更に右フック、左ボディアッパーを見舞って、2度目のダウン。

(C) Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C) Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 2回にもダウンを追加し、一方的なバレンズエラのペースとなる。3ラウンドは何とか持ちこたえたデュレイだったが、第4ラウンド開始直後にダメージを考慮したレフェリーがドクターチェックを要請し、同2秒でTKO負けを告げた。

 デュレイは「どうして? やれるよ!」と主張したが、賢明な処置だった。

(C) Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions
(C) Sean Michael Ham/Premier Boxing Champions

 22歳の勝者は言った。

 「あのストップについては、驚かない。より深刻なダメージを負う前に終わらせて良かったと思う。

 今日はジャブを多用し、ボディを攻めた後に空いた顔面を狙う作戦だった。いいパンチもらったし、デュレイはハートの強さも見せたから、こちらも我慢したよ」

 白星を加え、自身の戦績を11戦全勝7KOとしたバレンズエラ。思い切りの良さと、踏み込みのスピード、パンチ力が魅力だ。

 どこまで上っていけるだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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