Yahoo!ニュース

元旦ヘビー級対決

林壮一ノンフィクションライター
(写真:REX/アフロ)

 2022年の元旦は土曜日ということもあり、FOXスポーツがPPVをセットした。メインイベントは、ルイス・オルティス(42)とチャールズ・マーティン(35)のIBFヘビー級タイトル挑戦者決定戦である。

写真:ロイター/アフロ

 米国社会はNEW YEARからの数日間を日本のように連休とはしないが、元旦に派手な興行を仕掛けるのは珍しい。

 会場はフロリダ州ハリウッド。この時期でも夏であるため、ファンを集めるには都合のいい地だ。

写真:REX/アフロ

 <キングコング>がニックネームのオルティスは32勝(27KO)2敗。北京五輪に出場したキューバ人サウスポーは言う。

 「新年に南フロリダのファンの前に立てることが、楽しみで仕方ない。ヘビー級タイトルの再挑戦に繋げたい。チャールズ・マーティンはいい選手だが、俺は自分の道を進んでいる。素晴らしいパフォーマンスを披露し、ヘビー級で自分の存在を示したい」

2016年4月9日、ジョシュアに敗れたマーティン
2016年4月9日、ジョシュアに敗れたマーティン写真:ロイター/アフロ

 一方のマーティンの戦績は28勝(25KO)2敗1分け。2016年1月16日に行われたIBFヘビー級タイトル決定戦でビャチェスラフ・グラスコフを3回KOで下して王座に就いた。

 しかし、3カ月後にアンソニー・ジョシュアに敗れ、あっさりと王座を手放してしまう。2ラウンドに2度倒されてKO負けしたマーティンは、その後も黒星を喫した。彼もまた、今回の一戦を再浮上のチャンスと捉えている。

写真:ロイター/アフロ

 マーティンも話す。

 「俺ともオルティスとも、誰も戦いたがらない。だから、試合することにした。自分がタイトルマッチに相応しい男だと、世界中に証明してみせる。ベルトを取り戻したい。2度目の世界ヘビー級王座を目指している。まずはオルティスを倒すぜ」

 NEW YEARのボクシングPPVは、ファンにHAPPYを届けられるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事