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19戦全勝12KOのWBAスーパーバンタム級1位

林壮一ノンフィクションライター
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 WBAスーパーバンタム級1位、ライース・アリーム(31)がタフなメキシカン、エドアルド・バエズ(26)との10回戦で判定勝ちし、タイトル挑戦に弾みをつけた。それと同時に、空位だったWBOのNABO同級タイトルを手に入れた。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 立ち上がりのアリームはオーソドックスに構え、きびきびと動いていた。常に攻めの姿勢を見せたが、決め手を欠く。

 クロスレンジでの打ち合いでは、左右のフックが何度も空を切る。途中からスイッチを試みるが、効果的ではなかった。

 ラウンドが進んでも、あと一歩踏み込めない。バエズを捕らえ切れない。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 それでもリングジェネラルシップでポイントを稼ぎ、2-0(98-92、96-94、95-95)で判定勝ちを収めた。

 試合後、アリームは「長いブランクの影響で、ちょっと雑になってしまった。KOしたかったんだが…。サウスポーにして、何発かはヒットした。もっと頑張るよ。目の前の敵に勝ち続けるだけだ。バエズはタフなメキシカンファイターだが、俺は自分の仕事を成し遂げたんだ」と振り返った。

(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 戦績を19戦全勝12KOとしたアリームは、WBC/WBO同級2冠王者、ステファン・フルトンへの挑戦を希望している。共にSHOWTIMEで自分のファイトが放送されただけに、実現の可能性はあり得る。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20211123-00269107

 指名挑戦権を持つアリームのタイトル挑戦は、いつ実現するか。自身が語ったブランクによる影響を、どのように克服するか。負け知らずのアリームは、ボクシングを知っている選手でもある。世界タイトル挑戦までに、本来の調子を取り戻してほしい。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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