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1週間後に防衛戦を控えるWBAライト級王者が感謝祭で見せた笑顔

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Dave Mandel/SHOWTIME

 25戦全勝24KOの戦績で、スーパーフェザー、ライト、スーパーライトと3階級制覇中のジャーボンテイ・デービスが、感謝祭の2日前に150人分の七面鳥とギフトカードをラスベガス市民に配った。

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 デービスはこの日、フロイド・メイウェザー・ジュニアが持つジムで、メディアに対して軽い練習も披露。取材陣の質問に応じた。

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 「12月5日は、きっとエキサイティングな試合になるよ。イサック・クルスは絶対に前に出てくる。俺は彼の動きを観察したうえで、料理する。ヤツのミスを見逃さない。

 クルスが攻撃的になればなるほど、こちらはやり易い。どんなスタイルで来ても、対応出来るけれどね。クルスは爆発的なモノを持ってはいるが、準備バッチリさ」 

Photo:Dave Mandel/SHOWTIME
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 対戦相手が試合直前に変更されたことに関する質問も飛んだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20211120-00268393

 「特に影響は無いし、作戦も変化しちゃいない。挑発行為も、俺には意味が無いね。とにかく、リングでいかなるパフォーマンスが出来るかさ。

 クルスも千載一遇のチャンスに、十分な準備をしている筈だ。ヤツが大口を叩くなら、正しい道を教えてやるよ。試合の当日が、楽しみで仕方ない」

Photo:Dave Mandel/SHOWTIME
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 「ステイプルズ・センターでの戦いってのは、自分にとって非常に重要だ。ボルティモアの何も無いところで生まれた子供がボクシングを選び、大会場で試合をするまでになった。そういう幸せを、しみじみと感じているよ。モチベーションの高さが、俺の武器になっている」

Photo:Dave Mandel/SHOWTIME
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 「俺には家族がいなかったから、幼い頃は感謝祭を祝った記憶が無い。でも、今は2人の娘とのホリデーを楽しみにしている。今年は試合の直前だから家族でエンジョイすることは叶わないけれど、その分、クリスマスを家族で盛大に祝いたいね。

 子供の頃、色んな人に助けられた。だから出来る範囲で、今、そのお返しをしたいんだ。自分がそういう立場に立てていることに、大きな意味がある」

Photo:Dave Mandel/SHOWTIME
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 一般的なアメリカ人は、感謝祭を家族で過ごす。普段離れて暮らしていても、この時期には集う。そして食卓に七面鳥を並べ、元気で顔を合わせられたことを神に感謝するのだ。レストランの予約やエアチケット購入も、早くから動き出す。

 とはいえ、そんな風に過ごせない貧困家庭や崩壊家庭も数え切れないほど存する。

 笑顔で七面鳥を配るデービスの姿からは、彼が、過去に味わった淋しい感謝祭と、そこから這い上がった男の矜持が見えた。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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