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パウンド・フォー・パウンドKINGとされるWBA/WBC/WBOスーパーミドル級王者が練習を公開

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 11月6日に無敗のIBFチャンピオン、カレブ・プラントとの統一戦を控えるWBA/WBC/WBOスーパーミドル級王者、サウル・"カネロ"・アルバレス。先日、彼はカリフォルニア州サンディエゴでメディアの質問に応じた。

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 カネロはトレーナーであり、マネージャーでもあるエディ・レイノソが持つプライベートジムでトレーニングを重ねている。

 手の内はけっして見せず、報道陣の前で軽く動いたカネロは語った。

 「今、改めて自分の強さを感じている。11月6日に歴史を築くため、抜かりなく準備しているよ。ビッグマッチで向かい合う相手に対し、これほどの怒りや憎しみを覚えてリングに上がったことはなかった。いつもとは、まったく違う初めての経験だ。

 あんな記者会見、あり得ないさ。まぁ、注目されるか否か、興行が成功するかどうかよりも、俺が統一王者になることが大事だ」

 Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 両チャンピオンが9月21日の記者会見で乱闘を引き起こしたことは、記憶に新しい。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210923-00259483

 「8ラウンドまでにKOするという自分の発言に拘る。最初の2ラウンドぐらいは難しくなるかな。でも、試合が進んでいけば、ヤツを捉えられるさ。

 プラントについて、俺はもう何も言わない。ただ、あいつと顔を合わせる日に向け、準備するだけさ。

 あまり知られていないが、俺とエディの関係は規律に基いている。それこそが、今回の試合の利点となるんだ」

 Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 「俺は、何度も大舞台を経験した完成されたチャンピオンだ。リング内で多過ぎるほどの引き出しを持っている。荒々しい攻撃も出来れば、カウンターも打てる。足も使えるし、ボディワークも可能。そういうものをエディの指導で身に付けた。

 カレブはいい選手だよ。ジャブもあるし、動きもそこそこ。でも、俺レベルの相手と試合をしていない。ヤツにとってメガ・ファイトは、今回が初めてだろう? 精神面のコントロールを覚えなきゃね」

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 「この試合は自分にとってだけでなく、メキシコにとっても非常に大きなものとなる。でも、過去のメキシカン・レジェンドと自分を比較したくはない。俺は、俺の価値を示したいんだ」

 さて、2週間後がますます楽しみになってきた。168パウンドで主要4団体のベルトを束ねるのは、どちらの王者か。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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