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スーパーミドル級が熱い11月

林壮一ノンフィクションライター
(写真:REX/アフロ)

 2019年9月28日にアンソニー・ディレルを9回KOで下してWBCスーパーミドル級タイトルを獲得したデビッド・ベナビデス(24)。

 2020年8月15日の初防衛戦でリミットの体を作れず、王座を剥奪された。とはいえ、体重超過しながらも試合自体には勝利し、続く2021年3月13日にもTKO勝ちを飾った。目下、戦績は24戦全勝21KOとしている。

 ベナビデスは、11月13日に故郷、アリゾナ州フィニックスのリングに上がる。対戦相手は31勝(26KO)4敗のベネズエラ人ファイター、ホセ・ウスカテギ(30)。

写真:Shutterstock/アフロ

 先日、ベナビデスはキャンプ地からメディアの取材に応じた。

 「俺はいつだって変わらないさ。いつも通りの素晴らしいコンディションだよ。ノックアウトを狙っていく。ハイペースでリングを支配するつもりだ。ファンも理解しているだろうが、自分のスタイルを変える必要性は無い。ウスカテギはKO負けの経験が無いが、俺はやってみせる。スーパーミドル級最強が自分であることを、証明するファイトにしてみせる。

 いつも続けていたことを、今回もやるだけ。いい内容でノックアウトしたいね。それを成し遂げるべく、トレーニングしている。このキャンプに魂を注いでいるよ。

 就寝時、11月13日の戦争について思いを寄せているよ。ウスカテギは強い選手だ。簡単な相手じゃないことは分かっている。でも、もしKOできなかったとしても、圧倒的な差を見せ付けたいね。準備しながら、色々なパーツを新たに身に付けた。難しい挑戦だったが、やってのけた。ヤツもKOしに出てくるだろうな。それでこそ、好ファイトになるってもんだぜ。

 今、素晴らしいスパーリングパートナーに恵まれていて、彼らと13ラウンド、14ラウンドものスパーを重ねている。だからスタミナには自信がある。また、地元で戦うことに関しても問題なしだ。非常に光栄に感じ、モチベーションが高まっている。前座に兄貴が出ることも嬉しいよ。昔からの俺たち兄弟の夢が叶ったな。

 この試合の勝者はタイトル戦に繋がるだろう。11月6日のサウル・"カネロ"・アルバレスvs.チャンピオン、カレブ・プラントの勝者とやれるんじゃないか」

 確かに1週間違いでスーパーミドル級は注目のファイトが続く。果たして、生き残るのは誰か。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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