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間も無くゴング! WBCヘビー級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクションライター
(写真:ロイター/アフロ)

 WBCヘビー級タイトルマッチ、タイソン・フューリーvs.デオンテイ・ワイルダーの開始ゴングまで、半日となった。

 前日計量では、挑戦者ワイルダーが238パウンド(107.9kg)、チャンピオンのフューリーが277パウンド(125.6kg)。

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 両者は3度目の対戦となるが、モハメド・アリvs.ジョー・フレージャー、イベンダー・ホリフィールドvs.リディック・ボウ、アルツロ・ガッティvs.ミッキー・ウォードが拳を交えた時のような高揚感は無い。

 実際のところ、今夜のファイトよりも11月6日に予定されている4団体統一スーパーミドル級タイトル戦の方が、本場での注目度は高い。

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 対ワイルダーを1勝1分けとし、2020年2月に7回KO勝ちで新チャンピオンとなったフューリーは語った。

 「毎日、その日に自分が出来る全てを出し尽くすトレーニングを積んできた。今まで戦った試合、全部、同じようにやっている。何人かは俺を倒そうとしたが、無理だっただろう? 13年間、自分の道を歩んできたよ。

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 ワイルダーはメンタルが弱い。今回もKOしてみせるよ。俺は第2戦でヤツを完全に破壊した。3戦目も同じだ。ワイルダーもアンソニー・ジョシュアも、俺が最後の対戦相手になるさ。2人共、引退させてやるぜ。

 俺は2度世界ヘビー級王座に就き、負け知らずなんだ。歴史を築いている男さ」

Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo:Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 今夜は挑戦者としてリングに上がるワイルダーも言う。

 「特に示すものは無い。自分は偉大なるキャリアを積んできたし、それに相応しい精神もある。多くの素晴らしい人間に支えられている。今回のファイトは、償還であり、報復だ。

写真:ロイター/アフロ

 前回の敗戦からノンストップで有益な時間を過ごしてきた。キャンプも素敵な仲間に囲まれ、いい内容だった。多くの人には前回のKO負けのイメージが強く残っているだろうが、恐怖心は無い。万全な準備をしてきた。オーバーワークになった折には、きちんと休んでコンディションを整えた。前回とは違う内容になるし、人間としてもファイターとしても成長した姿を見せたい。かつてないほど、飢えた状態にあるから、変わった自分を披露するよ」

 勝者は、WBA/IBF/WBO王者のオレクサンドル・ウシクとの統一戦に向けて前進するだろうが、ウシクとアンソニー・ジョシュアもリターンマッチが噂されている。

 最重量級の4つのベルトを束るファイトは、まだまだ先か……。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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