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米国進出をファーストラウンドKOで飾ったWBA1位の英国人ヘビー級

林壮一ノンフィクションライター
(C)Amanda Westcott/SHOWTIME

 16戦(15KO)1敗の戦績でWBAヘビー級タイトルの指名挑戦権を持つ英国人、ダニエル・デュボアが米国デビューを果たした。

 相手は19勝(17KO)3敗のアンジェロ・クスマーニョ。高いKO率を誇る両者の打ち合いが期待されたが、試合はワンサイドだった。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 デュボアは初回に3度クスマーニョを倒し、2分10秒で試合を終わらせた。右ストレートが強かった。

 とはいえ、一方で粗さも見せた。パンチを放った後のバランス面には改善が必要だ。

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 かつて、イベンダー・ホリフィールド、オリバー・マコール、レノックス・ルイス、ウラジミール・クリチコらのヘビー級世界チャンプを指導し、あのトーマス・ハーンズを少年時代から育て上げたエマニュエル・スチュワードは、「ボクサーが強くなるために、最も重要なカギはバランスだ」と語った。

 特にルイスは、最初の王座転落後、スチュワードとの二人三脚でバランスを矯正し、統一王者となった。

(C)Amanda Westcott/SHOWTIME
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 デュボアは2020年11月28日に、派手なKO負けを喫している。これが彼にとって唯一の黒星だが、同ファイトでもバランスに難あり、というシーンが見受けられた。

 「俺は素晴らしい内容で勝った。最高に充実したトレーニングキャンプだったから、結果を出せたんだ。早く世界タイトルに挑戦したい」

 試合後、そう語ったデュボア。

 米国デビューを成功させた彼は、今後どんな道を歩んでいくか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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