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メキシコ期待のライト級トップコンテンダー

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 3月13日にWBAライト級挑戦者決定戦に勝利したメキシカンのブルファイター、イサック・クルズ・ゴンザレスが先日、10回戦に登場し、3-0(97-92、99-90、100-89)の判定勝ちを収めた。ゴンザレスは戦績を22勝(15KO)1敗1分けとした。

 3月のファイトではキャリア初の12ラウンドを経験し、"決定戦"に勝利したものの、世界タイトルマッチはまだ決まらない。それでもワンサイドの内容に、勝者は笑みを浮かべた。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 「何て言えばいいんだろう? 最高に嬉しいよ。予想通リの展開だった。相手のフランシスコ・バルガスは狡猾であり、クリンチが多かったね。そこを自分のペースに持っていけたのが良かった。27勝(19KO)3敗2分けのベテランから学ぶことは多かった」

 試合後、ゴンザレスはそう話した。

 2020年10月31日にファーストラウンドKOを飾り、自身の存在感を強烈にアピールしたゴンザレスだが、手数は36歳の相手より少なかった。

 バルガスが586であったのに対し、23歳のゴンザレスは548だった。が、強打の数はバルガスが148、ゴンザレスは188。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 「我々はトップ選手同士の戦いを見せられたと思う。体を作り、コンディションも仕上げた。ファンも幸せを感じたことだろう」

 ゴンザレスの良さの一つは頭の動かし方にある。身長163センチ、リーチ160センチという小柄な体躯を理解したファイティングスタイルだ。左右のフックを振るいながら、接近戦に持ち込む様は、メキシカン好みである。最終ラウンド残り47秒には、バルガスからダウンを奪った。

 メキシカンファイターらしい闘争心を見せるゴンザレス。さて、どこまで登れるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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