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間も無くキックオフ! 「周囲を生かすメッシ」は代表選手としてタイトルを獲れるか?

林壮一ノンフィクションライター
準々決勝のエクアドル戦では1ゴール2アシストで、自国をベスト4へ導いたメッシ(写真:ロイター/アフロ)

 コロナ禍において6月14日に開幕したコパアメリカも、残すところ3試合となった。順当に決勝進出を決めたブラジルに対し、ライバルであるアルゼンチンも本日、午前10時(日本時間)キックオフでコロンビアと対戦する。

 本コーナーでお馴染みの、元U20アルゼンチン代表、同ビーチサッカー代表で、現在は埼玉県のクラブチーム、トリコロールFCでジュニアユースを指導するセルヒオ・エスクデロに話を聞いた。

撮影:著者
撮影:著者

 3-0で勝利したエクアドル戦でのアルゼンチン代表は、いい戦いをしました。エクアドルは力のあるチームです。身体能力が高く、前半は五分五分でしたし、何本か危ないシーンもありました。

 エクアドルの監督は、グスタヴォ・アルファロというアルゼンチン人ですから、良く研究していましたね。アルファロは、ボカ・ジュニアーズの指揮を執っていたこともあるんですよ。

写真:ロイター/アフロ

 エクアドル戦は3点目がメッシの得点でしたが、その前の2本は、共にアシストしましたね。今までのメッシだったら、自分でシュートを打つ局面でしたが、周りを使うようになりました。今日のメッシは、ゴールする事よりもチームワークを優先しています。監督とも頻繁に会話し、代表チームの為に何をすべきかと考えているんですね。

写真:ロイター/アフロ

 FCバルセロナで、スアレス、ネイマールと共にプレーしていた頃は、確かにゴールを量産していましたが、2人を立てるプレーも多かったんです。あの時期のバルサはファミリーでしたからね。今のアルゼンチン代表にも、そういう家族的な雰囲気があります。

 リオネル・エスカローニ監督も43歳と若く、メッシにしてみたら付き合いやすいんですよ。

写真:ロイター/アフロ

 メッシはアルゼンチン代表として、エクアドル戦で75得点目を挙げました。カナリアを着て77ゴールしたペレの記録に追いつき、追い越そうとしています。でも、その記録について訊かれたメッシは「個人タイトルよりも大事なことは、アルゼンチン代表チームが優勝することだ」と語ったんです。

 発言とプレーから、あぁ、いいキャプテンになったなぁと感じさせますね。

コロンビアはウルグアイをPKで下し、準決勝に進出
コロンビアはウルグアイをPKで下し、準決勝に進出写真:ロイター/アフロ

 コロンビアは皆が走る、頑張るチームです。ハメス・ロドリゲスでさえ選ばれないくらいの強豪となりました。でも、今のアルゼンチンは非常にいい状態ですから、負けないでしょう。

写真:ロイター/アフロ

 間もなくキックオフだ。メッシはアルゼンチン代表としてライバル、ブラジルを下してVを掴めるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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