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「俺は咬ませ犬じゃねぇ! ヤツを壊してやる!!」10歳下の有望株と戦うことになったベテランの意地

林壮一ノンフィクションライター
身長180cm、リーチ187cmのホルヘ・コタ(写真:REX/アフロ)

 FOXが売り出す16勝(11KO)無敗1分けの23歳、セバスティアン・フォンドラの試合が、5月1日のPPV、アンディ・ルイス・ジュニアvs.クリス・アレオラの前座に組み込まれた。 

 フォンドラの相手に決まったのは30勝(27KO)4敗の33歳、ホルヘ・コタ。2009年のデビュー以来、コツコツとキャリアを重ねて来たこのメキシカンは、2012年6月30日に空位だったIBFインターナショナルタイトル決定戦に出場するも、7回KO負け。以来、大きな舞台に上がるチャンスを掴めなかった。

 ようやく巡って来た千載一遇のチャンスに、コタは目を輝かせている。

2019年4月20日にはジェイソン・ロサリオに1-2で判定負けした
2019年4月20日にはジェイソン・ロサリオに1-2で判定負けした写真:REX/アフロ

 現在、アリゾナ州ツーソンでキャンプ中のコタは、鼻息荒く語る。

 「俺のスタイルは全ての対戦相手にとって、困難なものだ。フォンドラは確かに非凡な選手で、将来性を感じさせる。でも、俺のキャリアがモノを言うだろう。ヤツに黒星を付ける最初の男は俺だ。若さを源とするヤツの自信を粉砕してみせるぜ。

 これまでに対戦相手をじっくり研究したことは無い。でも、今回はヤツについて、時間を掛けて色々と学んでいる。スパーリングをこなしながら、100パーセントの状態にもっていくよ。

 標高の高いツーソンで、日々、自分を苛めている。スタミナはかなり強化された。フォンドラ戦では、これまでと違った俺の姿を御覧に入れるよ」

 サウスポーのフォンドラは、身長197センチとスーパーウエルター級で誰よりも身長がある。その懐に飛び込めるか否かが、勝負のカギとなりそうだ。

 「メインイベントの2人は、俺と同じメキシコの血が流れたファイターだ。5月1日は、美しきメキシコのイベントとなるだろう。そんな興行に参加できることを光栄に思う。我々は、それぞれがメキシコ人であることに誇りを持っている。とにかく、心身共にパーフェクトな状態でリングに上がるよ」

 197センチの新鋭も興味深いが、33歳がどんな意地を見せるかにも注目だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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