ナイジェリアの倒し屋が11戦全勝11KOでWBAクルーザー級挑戦権を得た

Photo:Sean Michael Ham/TGB Promotions

 第2ラウンド残り56秒。フェトボル・アポーチの左フックを浴びたデオン・ニコルソンの動きが止まる。チャンスと見たアポーチは、ニコルソンをロープ際に追い込み、左フック、右の打ち下ろし、左フック、右アッパーのダブルでダウンを奪う。

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 起き上がったニコルソンの足元は覚束ない。アポーチは2つのジャブから右ストレート、ロングレンジからの左フック、右ストレート、ダッキングを入れての右アッパーと、コンビネーションを見せるが、詰め切れない。

 ニコルソンは何とかゴングまで持ち堪えた。

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 翌3ラウンド1分、アポーチの右ストレートをクリーンヒットされたニコルソンは、ゆっくりとキャンバスに沈んでいった。ノックアウトタイムは同ラウンド1分12秒。

 ニコルソンも世界タイトルの挑戦者決定戦に出場するだけあって、14戦全勝13KOと、将来を期待されていたが、相手にならなかった。

 FOX TVとプロモート会社であるPBCが、"ノックアウトアーティスト"として売り出すアポーチはデビューから11連勝を重ね、WBAクルーザー級タイトル挑戦権を得た。アポーチは全ての勝利をノックアウトで飾り、否が応でも注目を集める。

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 アポーチのトレーナーは、1986年12月2日に浜田剛史の持つWBCジュニアウエルター級タイトルに挑戦したロニー・シールズだ。

 ナイジェリアの強打者は、シールズに初回終了時点で言った。

 「ヤツは試合を投げるよ」

 シールズは、応じた。

 「早く終わらせてしまえ」

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 アポーチは試合後、次のように振り返った。

 「ニコルソンの目を見た。パンチを当てた後、彼の目は泳いでいた。タフではあったが、それがヤツの体を痛めつけることにもなった。

 俺は世界王者になりたい。ロニーが言うように、その為には自分を磨かなければならない。ロニー曰く、俺は特別なモノを持っているらしい。でも、それを最大限に使わなければね。未来を見据えて自分を引き締めていくさ」

 確かにアポーチの強打は目を見張る。だが、コンビネーションのスピード、ヘッドスリップ、下半身の柔軟性などに課題点も見られる。シールズとの二人三脚で、どれだけ伸びるかが今後を左右しそうだ。