元WBCスーパーウェルター級王者が、父を亡くしてから初のリングに上がる
2018年12月22日、ジャーメル・チャーロを判定で下してWBCスーパーウェルター級タイトルを獲得したトニー・ハリソン(30)。1年後のダイレクトリマッチでは、第11ラウンドKO負けで王座から転落した。
そのハリソンが1年4カ月ぶりのリングに上がる。明日、ブライアント・ペレーラ(32)戦を迎える。
16カ月間のブランクを作ったのは、その間にトレーナーでもあった父が他界したからだ。
トレーニング・キャンプ中、ハリソンは言った。
「親父はいい仕事をしたと思うよ。俺をファイターとして色んなスタイルに適応できるよう育ててくれた。どんな状況に置かれても適応可能な選手になれた」
今回の試合は、父無しで迎える初めてのリングとなる。
「父は俺の年齢や体の調子を考慮したうえで、最高の戦い方を考えてくれた。もう若い選手じゃないだろう。いかに頭を使って戦うかが求められる。
今回、若く、素晴らしいパートナーたちとのスパーリングを重ねた。彼らが追い込んでくれたお陰で、考えて戦うことを身に付けた。メンタル面も万全に仕上がったよ。ブランクの影響があるとか、自分が衰えたとはまったく感じない。キャンプで2~3ラウンド動いたら、手応えを感じた」
ブライアント・ペレーラは、トリッキーなサウスポーだ。ウエルター級でリングに上がっていたが、この試合に向け、スーパーウェルターに増量した。そして、何より注目したいのは、あのロイ・ジョーンズ・ジュニアの教えを受けている点だ。
「サウスポーであるということ以外に、ペレーラについては多くを知らない。ただ、
KOで勝たねばとは思う。勝利こそが自分にとって、最も大きなものだ。新たなトレーナーと共に、勝利を挙げねばならない」
元王者は敗戦から何を学んだか。哀しみを乗り越え、どんなファイトを見せるか。