SHOWTIMEが売り出す26戦全勝24KOのウエルター級
26戦全勝24KOと勢いに乗る23歳のウエルター級ファイター、ジャロン・エニス。4月10日に元IBFスーパーライト級王者であるセルゲイ・リピネッツ(32)戦を控え、調整に余念が無い。
今回の試合は、SHOWTIMEで放送される。エニスにとっては、全国ネットでメインを張るのはキャリア初のこと。今までにない大舞台であり、気合が漲っている。
エニスは、生まれも育ちもペンシルバニア州フィラデルフィアだ。あのモハメド・アリと3度拳を交えたジョー・フレージャーが15歳から暮らした土地である。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210308-00225564/
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210327-00223314/
映画『ロッキー』の舞台でもある。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210206-00220686/
ライトヘビー級のマシュー・サード・ムハマド、バンタム級のジェフ・チャンドラー、ヘビー級のティム・ウィザスプーンらがフレージャーに続き、世界チャンピオンとなった。
その後も、84年のロス五輪で金メダリストとなり、プロではスーパーライト級、ウエルター級で世界を獲ったメルドリック・テイラー、96年アトランタ五輪で金メダルを得、プロではスーパーウエルター級で世界王者となったデビッド・リード、統一ミドル級、ライトヘビー級のバーナード・ホプキンス、スーパーライト級、ウエルター級のダニー・ガルシアら、数々の名チャンピオンが誕生した。
2021年1月23日には、ステファン・フルトンがWBOスーパーバンタム級タイトルを獲得した。
エニスもまた、彼らの背を見て育ち、名チャンプたちを追いかけている。
先日、エニスが故郷で練習を公開した。トレーニングには、エニスの実父も参加している。
現在16連続KO中のエニスはリズミカルに動いた。スパーリングでは手の内を見せなかったが、その後、一発一発、確かめるようにトレーナーの構えるミットにパンチを放った。
エニスは言う。
「SHOWTIMEでメインイベンターになれたってことは、それだけスポットライトを浴び、注目されるんだ。ちょっと舞い上がっている部分がある。でも、やることは同じさ。自分の時間を作ってみせるよ」
「昔からそうだけど、このキャンプでも1ラウンドを4分にして練習している。体が4分を覚えると、試合の際に1ラウンドが早く感じるんだ。
完璧に仕上げるよ。非常にいいキャンプだったので、日々、成長を感じた。研ぎ澄まされた状態でリングに上がれる。試合の日が待ちきれないね。
相手は元世界王者のいい選手。でも、それ以上じゃない。その他大勢って感じの男じゃないの。ただ、向こうは俺がタフでハートもあるって事を理解しているようだな」
「自分が本当のパンチ力を備えるには、あと1~2年かかるんじゃないかな。まだまだだと思っている。これまでのノックアウトも、自然な力で重ねたものだ。
4月10日のノックアウト勝利を17回連続と見る人も、新しいKOストーリーの始まりと感じる人もいるだろう。俺にとっては勝利が第一で、KOは二の次。でも、チャンスがあれば倒しにいく」
さて、エニスはフィラデルフィアの歴史に名を刻む王者となれるか? まずは10日のファイトに注目だ。