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15戦全勝14KO、期待の19歳サウスポーが2回KO勝ち

林壮一ノンフィクションライター
Photo: Sean Michael Ham/TGB Promotions

 19歳のサウスポー、ヘスス・ラモスの狙い澄ました右フックがエミリオ・ボホルケスの顎を打ち抜く。

 クリーンヒットされたボホルケスは、堪らずキャンバスに沈む。何とか起き上がり、試合を続行したが、ロープに詰められ連打を浴びたところでレフェリーが試合を止めた。

 ノックアウトタイム、第2ラウンド1分44秒。 鮮やかな勝利だった。

試合を決めたラモスの右フック   Photo: Sean Michael Ham/TGB Promotions
試合を決めたラモスの右フック   Photo: Sean Michael Ham/TGB Promotions

 ラモスはこの勝利でデビュー以来15連勝全勝(14KO)を飾った。

 「右フックが綺麗に決まって驚きました。ジャブをボディに打とうと思っていたんです。相手は続いて放とうと思っていた僕のジャブを警戒していました。でも、フェイントとして右フックを出したんですよ。決定打になるとは思っていなかったですね。

 147パウンド(ウエルター級)でのテスト試合でしたが、自分の強さを実感できました。自分の戦いぶりがどうだったか、チームのメンバーの意見を聞きますよ」

Photo: Sean Michael Ham/TGB Promotions
Photo: Sean Michael Ham/TGB Promotions

 伸び盛り、育ち盛りのラモスの体はまだまだ大きくなりそうだ。

 「21歳で世界チャンピオンになりたいと考えています。来年かな。そのためのステップアップの年にしたいですね。来年、ヨルデニス・ウガスのようなチャンピオンと戦いたいです」

 ラモスの叔父であるアベル・ラモスは昨年9月にウガスと戦い、判定で敗れている。この若者は叔父の仇を討ちたいようだ。

 バランス、スピード、度胸、勘の良さも感じさせた今回のファイトは、ラモスに更なる自信を植え付けたであろう。

 ウガス戦が実現すれば話題になることは間違いない。楽しみな若手である。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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