「八村塁が流れを変えたことが勝因」ウィザーズの監督はそう言った
現地時間2月20日、八村塁の所属するワシントン・ウィザーズは、ポートランド・トレイルブレイザーズのホーム、モダ・センターでTipOffを迎えた。
9勝17敗で東地区の15チーム中13位のウィザーズと、18勝10敗で西地区4位につけるブレイザーズでは、どう見てもウィザーズが不利だとしか感じられなかった。
実際、1Q終了時で31-43とビハインドを負う。この日もスターティングメンバーに選ばれた八村だったが、試合開始から1分27秒で4得点した後にターンオーバーを許し、レイアップ失敗と、目立たなくなってしまう。
それでも、ウィザーズは得点源であるシューティングガードのブラッドリー・ビールを中心にリズムを掴み、2Q終了時に61-55で逆転に成功。が、3Qではまたリードされてしまった。
同Q残り7分52秒、八村はデイミアン・リラードをマークしていたが、簡単に躱され、ドライビングレイアップを許してしまう。同じ土俵に立ってはいるが、両者の差は如何ともし難い。
この時点での八村は7本のシュートを放って成功したゴールが2本と、決して喜べる数字ではなかった。
が、残り5分21秒にビールのパスを受けてダンクを決めると、躍動し始める。最終Qでは9得点を挙げ、チームの勝利に貢献した。結局ウィザーズは、118-111で勝利する。八村は12本中5本のシュートを決め、17得点、7リバウンドをマークした。
試合後、ウィザーズのスコット・ブルックス監督は「塁とラウル(ネト)がゲームを変えてくれた。いい仕事をしてくれた」と八村を褒め称えた。
敵地とはいえ、ポートランドは八村の母校であるコンザガ大から最も近いNBAチームのフランチャイズである。この日、記者席ではNBCスポーツで働く同窓生、ジェミー・ハドソン記者がウィザーズの背番号8に熱い視線を送っていた。
彼女は言った。
「母校のスターが着実に成長している姿を目に出来て、心から嬉しいです。23歳の彼は、自身のポテンシャルを磨いていますね。今日は八村にとってウィザーズにおける68回目のスタメンでした。チームの重要なパーツとなっていると思います。
オフェンス面ではラッセル・ウェストブルックとの相性が良さそうですね。今後、もっともっといい連係が生まれるでしょう。今シーズンの八村の平均得点は13.2ですが、それ以上の働きをしているんじゃないかしら。
ディフェンス面でもこのゲームでは3つのスティールをマークし、ポートランドのスーパースターであるデイミアン・リラードのシュート成功率を3分の1としましたね。ウィザーズにおいて、もっともっと貴重な存在になっていく選手だと信じています」
またFOX系の地元TV局のレポーター、ニック・クルップケは八村を次のように評した。
「当たり負けしないいい体をしているね。十分、NBAでやっていける素材だと思うよ。何と言っても八村の武器は若さだ。自分が出場できるウィザーズに属し、プレー時間を与えてもらっているのだから、それを活かして経験を積んでほしい。
もう少しシュートの精度を上げる必要があるだろうな。3ポイントは苦し紛れに打っていたようだ。クイックネスも向上させるべきだね。伸びしろに期待したい選手だよ」
昨シーズンと比較し、八村の表情には余裕が見られた。NBAで揉まれることが、血となり肉となる。そして明日に繋がる。
ブレイザーズ戦を含め、4連勝したウィザーズの次の相手は、レブロン・ジェームズ率いる王者、ロスアンジェルス・レイカースだ。果たして、どんな戦いを見せるか。