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エース、ジェームズ・ハーデンを失ったロケッツが4連勝

林壮一ノンフィクションライター
ビクター・オラディポは新たなチームの顔となるか?(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1Q残り2分51秒で、ヒューストン・ロケッツは10-30とリードされていた。

 1月28日のゲーム前、ポートランド・トレイルブレイザーズのテリー・ストッツ監督は「ジェームズ・ハーデンのいないロケッツは、もはやかつてのチームではない」と強気の発言をした。

 が、ブレイザーズは、今季7戦目のシカゴ・ブルズ戦でも20点差をひっくり返されて敗れたように、2Q終了時には50-53とあっさり逆転を許してしまう。

25得点7リバウンド5アシストのビクター・オラディポ
25得点7リバウンド5アシストのビクター・オラディポ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ロケッツは4Qに2度リードされたものの、104-101で接戦を制した。ハーデンが抜けたことで、チーム全体が奮起している。この日は、シューティングガードのビクター・オラディポが25得点、センターのクリスチャン・ウッドが22得点、ポイントガードのジョン・ウォールが20得点と、全員でハーデンの穴を埋めようと一丸となっている。フリースロー成功率83.3%という数字も、勝ちへの拘りを感じさせる。

22得点12リバウンドしたクリスチャン・ウッド
22得点12リバウンドしたクリスチャン・ウッド写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ブレイザーズはポイントガードのデイミアン・リラードが好調を維持し、28日も30得点、シューティングガードのゲリー・トレント・ジュニアも23得点を挙げたが、今季8敗目(9勝)を喫した。

 あと一歩のところで競り負けてしまうのは、やはり右手首を骨折したセンターのユスフ・ヌルキッチ、左足を捻挫したシューティングガードのCJ・マッカラムの欠場の影響であると感じざるを得ない。

ブレイザーズのなかで、頭一つ抜けた存在のリラードだが…
ブレイザーズのなかで、頭一つ抜けた存在のリラードだが…写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 一方のロケッツは4連勝し、8勝9敗となった。敵将に指摘されるまでもなく、エースのいない状況は誰もが理解している。ストッツ監督の発言が火を点けたのか。

 大黒柱が去ったからこそ、危機感を覚えたロケッツは、現在のメンバーで如何なる完成形を見せるか。

 ブレイザーズ戦の彼らは見応え充分であった。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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