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「カネロと戦いたい!」IBFスーパーミドル級王者カレブ・プラントが30日に防衛戦

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Stephanie TrappTGB Promotions

  20戦全勝12KOのIBFスーパーミドル級チャンピオン、カレブ・プラント(28)が30日に同タイトル3度目の防衛戦を迎える。

 挑戦者は2017年12月9日に同タイトルを獲得したカレブ・トゥルアックス(37)。トゥルアックスは4カ月後の初防衛戦に失敗した後、2勝1ノーコンテストで踏み止まり、王座返り咲きを狙う。戦績は31勝(19KO)4敗2分け。

Photo:Stephanie TrappTGB Promotions
Photo:Stephanie TrappTGB Promotions

 プラントは前々からサウル・"カネロ"・アルバレスとの対戦を熱望しているが、ターゲットは2月27日にWBA同級タイトルマッチを組んだ。

 新型コロナウイルスの影響で、昨年は1度しかリングに上がれなかったプラントだが、10回KO勝ちしたファイトの評価は高く、ESPNが独自で発表したスーパーミドル級ランキングでは2位となっている。1位が"カネロ"・アルバレスだ(同ESPNランキングで、トゥルアックスは10位)。

Photo: Stephanie TrappTGB Promotions
Photo: Stephanie TrappTGB Promotions

 8歳でグローブを握ったプラントは、2011年に全米ゴールデングローブを制した。翌年のロンドン五輪には出場できず、2014年5月にプロデビュー。

 基本に忠実で、打ち合いを好む男である。

Photo;Stephanie TrappTGB Promotions
Photo;Stephanie TrappTGB Promotions

 プラントとアルバレスを比較した場合、知名度では明らかにアルバレスが上だ。しかし、大物を食うからこそ、脚光を浴びるのがボクシングである。ミドル級王座を長く守っていたバーナード・ホプキンスは、フェリックス・TITO・トリニダード、オスカー・デラホーヤを下すことで、己の存在価値を示した。

 当時のホプキンスは、下のクラスから増量してミドル級となった2人のスターに対し、勝算を覚えていたからこそ、試合の実現を声高に叫んだ。

 あるいはプラントも、アルバレスに対し、肉体的、あるいはパンチ力のアドンテージを感じているのか。

 今日のボクシング界で、アルバレスvsプラント戦が見たいカードであることは間違いない。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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