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「WBCスーパーウエルター級王座挑戦者決定戦」間も無くゴング!

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Amanda Westcott/SHOWTIME 

 9月19日に催される「WBCスーパーウエルター級タイトル挑戦者決定戦」エリクソン・ルビン<22勝(16KO)1敗>vs.テレル・ガウシャ<21勝(10KO)1敗1分>。

 世界戦に敗れ、2度目のチャンスを掴もうとする者同士のサバイバルマッチに生き残るのはどちらか?

 この2人は昨年10月26日に戦う筈であった。しかし、ガウシャの拳の怪我により流れてしまった。ついに決着をつける時が来た。9歳下のルビンを相手にする、試合3日前のガウシャの言葉をお届けしよう。

 ガウシャはロンドン五輪出場後、プロに転向。2017年10月14日にWBA世界スーパーウエルター級チャンピオン、エリスランディ・ララ(キューバ)に挑戦し、4ラウンドにダウンを喫して判定負けした。先週の9日に33回目のバースディを迎えたばかりである。

写真:西尾誠氏提供 ガウシャと2020五輪代表のアンソニー
写真:西尾誠氏提供 ガウシャと2020五輪代表のアンソニー

 「この試合は、154パウンドのファイター全員に俺からのメッセージを送るいい機会だ。全てのラウンドで、ルビンをコントロールしてやるぜ。そしてヤツを痛めつけてやる。俺とルビンに大きな差があるってことを知らしめるつもりだ。ヤツが有利だと語る人間がいるが、俺の実力を証明してやる。

 新型コロナウィルスの影響を受ける前は、スパーリングこなせていたけれど、多少、制限が必要とされた。でも、19日の為に、コーチやスパーリングパートナーたちが支えてくれた。ジムが使えなかった日々は、公園で調整したよ。

 拳の怪我も癒えた。もう、問題ない。全力でパンチを打てる。パンダミックは、ケガを治すのに十分な時間を与えてくれたね。今は、100%の状態さ」

写真:西尾誠氏提供
写真:西尾誠氏提供

 「ルビンはジャーメル・チャーロに負けてから、トレーナーを変えた。おそらく十二分にトレーニングし、以前の彼よりいい選手になっているだろう。直近の試合も悪くはなかった。でも、俺のレベルじゃない。

 19日は俺にとって素晴らしいテストとなる。ルビンは世界戦で1敗しただけの、若く、エリートと呼べる男だからな。2度目の世界戦に向けて、見る人が納得する勝利を飾ってみせるよ。

 今日の俺は以前よりも落ち着きがある。2019年5月25日のオースチン・トラウト戦はドローとなったが、開始直後からプレッシャーをかけていった。フットワークを使い、いつもの自分とちょっと違ったスタイルで戦ったんだ。今回の方が準備に時間を掛けたし、だからこそリラックス出来ている。

 9月26日の(WBC/WBA/IBF統一スーパーウエルター級戦)ジャーメル・チャーロとジェイソン・ロサリオの勝者に挑めるってのは最高だな。どちらが相手でもいい。両者とも、激しく動く選手だし、勝算はある!」

 熱を帯びる154パウンド。最強の座を手に入れるのは誰か。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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