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9月19日の「WBCスーパーウエルター級王座挑戦者決定戦」に出場する両者の言葉

林壮一ノンフィクションライター
ジャーメル・チャーロへの再挑戦を目指すエリクソン・ルビン 写真:AP/アフロ

 2017年10月14日、ジャーメル・チャーロの持つWBCスーパーウエルター級タイトルに挑み、ファーストラウンド2分41秒でKO負けを食らったエリクソン・ルビン(24)。目下、戦績は22勝(16KO)1敗。

 再起戦を含み4連勝を飾ったルビンは、19日にテレル・ガウシャ(32)戦を迎える。ロンドン五輪に出場し、トップアマからプロに転向したガウシャの戦績は21勝(10KO)1敗1分。唯一の黒星は、WBA世界スーパーウエルター級チャンピオン、エリスランディ・ララ(キューバ)に挑み、4ラウンドにダウンを喫して判定負けしたものだ。

 両者は王座に挑戦して敗れ、再起し、次のチャンスを狙うという共通点がある。つまり、来たるファイトは、立ち止まれないサバイバルマッチなのだ。

 「今、スーパーウエルター級は熱く燃えている。ルビンvs.ガウシャ戦の勝者は、26日のWBC/WBA/IBF同級統一戦の勝者に挑戦する可能性が大だ。SHOWTIMEの視聴者も絶対に見逃せないだろう」と息巻くのは、TGBプロモーション代表のトム・ブラウンだ。TGBプロモーションは、ルビンvs.ガウシャ戦を「WBCスーパーウエルター級タイトル挑戦者決定戦」と名付けた。

 18歳でプロに転向し、キャリアを積んできたルビンは言う。

 「自分にとって2020年初となるSHOWTIMEでのファイトに集中している。テレル・ガウシャはかつての五輪選手であり、経験のあるいい選手だ。彼を圧倒することに意欲を燃やしているよ。

 作戦を実行することが、俺をTOPに上らせるだろう。近い将来、自分がスーパーウエルター級で最強であることを証明したい。必ずこの腰にベルトを巻いてみせる!」

写真:西尾誠トレーナー提供 ガウシャと2020五輪代表のアンソニー
写真:西尾誠トレーナー提供 ガウシャと2020五輪代表のアンソニー

 一方のガウシャも語る。

 「ルビンは若く、いい選手。自分にとって、サウスポーと対峙するのは4戦目になります。十分な対策を練ってきました。2度目の世界挑戦を目指し、非常に大きな意味を持つ一戦です。今回のトレーニングキャンプは、今までにない充実度ですよ。自分がレベルアップしたことを証明してみせます」

写真:西尾誠トレーナー提供
写真:西尾誠トレーナー提供

 ガウシャは、マニー・ロブレスの指導を受けている。そのロブレスの下でトレーナー修行する西尾誠は話す。https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20200421-00173302/ 

 「ガウシャはパワーがあると言うより、パンチが固い選手です。見た目以上にパンチが切れて、バランスが良いです。今年の2月くらいから、サウスポーとのスパーを重ねてきました。コツコツとルビンにダメージを与え、終盤TKOか判定でガウシャが勝利すると僕は思います」

 9月26日の3団体統一スーパーウエルター級戦を前に、19日のファイトにも注目だ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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