元コロンビア代表が語る「サッカー選手にとって最も大事なこと」

Picture credit: Portland Timbers

 元コロンビア代表のボランチ、ディエゴ・チャラ(33)。相手の攻撃を摘み取る職人肌のボランチだ。日本人選手なら山口蛍のようなタイプか。先日お届けしたイミ―・チャラhttps://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20200306-00165712/の実兄である。異国の地に生きるベテラン選手の言葉をご紹介しよう。

撮影:著者
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 ワールドカップ(1994年アメリカ大会)でオウンゴールをしてしまった選手が銃殺されるほどサッカー熱の高い国、コロンビア。チャラは1986年4月5日、同国で3番目に大きな都市、サンティアゴ・デ・カリで生を享けた。

 「コロンビアのサッカー人気は、他国の方々の予想以上です。私の父はプロではなかったのですが、国内の2部リーグでプレーしており、自分も自然とボールを蹴るようになりました。母もかつて短距離走の選手だったので、アスリートの気持ちが分かる人でした。家族全員、サッカー愛がとても強かったんです(笑)」

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 「イミ―は私よりも5歳下なのですが、私は兄とも5歳違いなんです。一緒に路上でボールを蹴り、5歳の時、兄と同じクラブに入りました。幼い頃からサッカーが好きで好きでたまらなかったんですが、13~14歳の頃、周囲に認められプロになれるんじゃないかと思いました。

 建設労働者だった父も、ビルディングの清掃作業員だった母も『自分を律することが大事だ』『他者を尊敬しなさい』『結果を出すには努力しかないよ』と、我々に教えました。今でもその言葉を守っていますし、4人の子供達にも伝えています。私は40歳まで現役でいたい。息子と娘が2人ずついるのですがアメリカで教育を受けているので、家族みんなで幸せに生きていくことが、我がファミリーのテーマとなっています」

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 「プロになって2年目だったかな…19歳頃に数試合FWで試合に出場したことがあります。でも、しっくりこなかったんですね。私には、相手のボールを奪う方が合っています。中盤の底って、いつもボールが来るでしょう。可能な限り多く、ボールに触れていたいんですよ。また、長短のパスを織り交ぜて、アクセントを付けるのも好きです」

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 「18歳でプロになり、2004年から2011年までは母国のリーグでプレーしました。特に最後のシーズンは、非常に高い評価を得たんです。それで、このポートランド・ティンバーズからオファーをもらいました。環境を変えてチャレンジすること、家族でアメリカ合衆国に住むということに魅力を感じてサインしました。もう10シーズン目ですよ。

 ブラジルワールドカップを目指していた時期に、代表にも選ばれました。ずっとナショナルチームのユニフォームを着続けたかったけれど、私のポジションには他にも優秀な選手が沢山いますから定着できませんでしたね…」

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 「アメリカのサッカーはスピードとフィジカルだな、という印象です。コロンビアはボールをゆっくりとキープし、個人の技と戦術で崩していきます。私は味方とのコンビネーションに重きを置く選手ですので、アメリカでもパス回しを心掛けています。我がティンバーズは、アルゼンチン人選手やパラグアイ選手、ベネズエラ選手らの南米系とアメリカのサッカーが混ぜ合わさって1つのチームとなっています。そこが強みなんですよ」

撮影:著者
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 「日本のサッカーの印象ですか? 組織力が高いですね。今、成長過程にあります。ロシアワールドカップで私の国を下しましたが、コロンビアが多くのミスを繰り返したのに対し、日本は統制のとれた、チーム一丸での戦いをしました。しっかりと我慢が出来て、チャンスを見付けたら一気に攻める姿を覚えています。

 サッカーって何が起こるかわかりません。選手にとって一番大切なのは、どんな試合でもキックオフに向けて、ベストな自分を作ることです。長いリーグ戦だろうか、トーナメント戦だろうが同じです。ピッチではハードワークしなければいけない。自己犠牲の精神も必要です。それをやれるかどうかで、プロ選手の価値が決まるんです。結局は、努力を重ねられるかなんですね。口で言うのは易しいけれど、楽な作業ではありません。毎日どこまで自分を追い込めるかが選手の将来を左右します」