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WBAウエルター級統一戦直前 ~マニー・パッキャオ40歳の闘い~

林壮一ノンフィクションライター
パッキャオ40歳の闘い(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
Photo: Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Photo: Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 20日の試合に向け、16日にラスベガス入りしたWBAウエルター級正規王者のマニー・パッキャオ。今回の対戦相手は、同スーパー王者のキース・サーマン。29戦全勝22KOの30歳である。

 サーマンが「パッキャオはパンチを振り回すだけで何もできやしない。最終的に俺の右腕が上がることが楽しみで仕方ないぜ」と挑発気味に語るなか、PACMANは静かに闘志を燃やしている。

Photo by Frank Micelotta/Fox Sports/PictureGroup
Photo by Frank Micelotta/Fox Sports/PictureGroup

 パッキャオはラスベガスに到着した日、次のように話した。

 「この試合は、40歳である自分が何かを証明するという意味で非常に大事な一戦です。サーマンは非常にいい選手ですが、皆さんはリングで何が起こるかを見届けることになります。

 ボクシングは科学です。組まれた試合をこなすだけでなく、常に学ばねばならない。私はそうやってキャリアを重ねて来ました。40歳にして無敗の男を叩きのめし、ベストであることを見せますよ」

Photo: Sean Michael Ham / Mayweather Promotions
Photo: Sean Michael Ham / Mayweather Promotions

 そして、17日の記者会見では、

 「サーマンは自分にとって特別な存在ではない。今回の試合が特別という訳でもありません。ただ、私はリングで何かを証明しなければならない。それが今回のモチベーションです。とてもいいトレーニングキャンプをこなすことができました。見る人に、幸せをもたらすファイトをお見せします」

 と語った。

Photo: Sean Michael Ham / Mayweather Promotions
Photo: Sean Michael Ham / Mayweather Promotions

 シュガー・レイ・レナードはサーマン勝利を予想しているが、トーマス・ハーンズ、ロベルト・デュラン、ゲリー・クーニー、ロイ・ジョーンズ・ジュニア、シェーン・モズリーは、Pacmanが判定勝ちするだろうと述べた。

Photo by Frank Micelotta/Fox Sports/PictureGroup
Photo by Frank Micelotta/Fox Sports/PictureGroup

 全盛期は過ぎたものの、まだまだ主役の座を譲らないパッキャオ。20日は、どんなファイトを見せてくれるか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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