Yahoo!ニュース

アルゼンチン人コーチが語る「日本代表vs.ウルグアイ戦」

林壮一ノンフィクションライター
好調なスタートを切った森保ジャパン。今夜の相手は強豪、ウルグアイだ(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 元アルゼンチンユース代表、ビーチサッカーアルゼンチン代表で、現在は埼玉県に発足したクラブチームFC Futureで指揮を執っているセルヒオ・エスクデロ。息子であるエスクデロ競飛王は、先日、京都サンガから韓国・Kリーグの蔚山現代に期限付き移籍し、背番号9を付けて活躍中だ。

 そのエスクデロに、今夜の森保ジャパンvs.ウルグアイについて訊ねた。

==============================================================

 先日のパナマ戦の日本代表は、良く頑張りました。森保ジャパンになって、「よく走って、戦うな」という印象です。パナマの方はロシアワールドカップのメンバーと比較すると、かなり見劣りしましたね…。言ってしまえば、弱い代表でした。プレーの一つ一つが遅いし、プレッシャーも緩かったです。正直、日本が勝って当たり前の相手でした。

 パナマ戦で目立ったのは、背番号16の冨安健洋ですね。ヘディングが強く、運動量もあって、常にインターセプトを狙っていました。センターバックだけどオーバーラップもできます。まだ19歳。非常に楽しみな選手ですね。

 僕は、ボランチにもう少し攻撃的な選手を入れてほしいという気持ちでパナマ戦を見ていました。青山敏弘、三竿健斗は基本的に守備に強い選手です。青山は頑張っていましたし、全体的に上手くバランスを取っていましたが、ボランチから組み立てていくようなスタイルのサッカーがいいと思うんですよ。

 また、敢えて述べるなら、ホームに弱い相手を呼んで来て「勝った!」「勝った!」という強化は疑問符です。ですから、今の結果はたいしたことはありません。

写真撮影:著者
写真撮影:著者

 そういう意味で、今日のウルグアイ戦はいい強化になりますね。スアレス(バルセロナ)は来日していないようですが、カバーニ(パリ・サンジェルマン)を筆頭に、ストゥアニ(ジローナ)、マジャダ(リーバープレート)、ベシーノ(インテル)、トレイラ(アーセナル)、ラクサール(ミラン)と、いい選手が揃っています。パナマより、数段上のレベルです。

 ウルグアイ代表選手たちは「日本なんかに負けられるか」という思いでプレーする筈です。そんなウルグアイを相手にいいサッカーができれば、日本にとって大きな収穫になります。負けるにしても、いい内容の戦いができれば、財産です。今後のアジアカップやコパ・アメリカに繋がるでしょう。

 マッチメイクが難しいのかもしれませんが、こういう相手との試合をバンバン組んでほしいですね。

 パナマ戦では、室屋成と原口元気が両サイドをアップダウンして、チャンスを作りました。3-5-2のシステム内で彼らは非常に良かったと思います。それが今夜のウルグアイに通じるか? 積極的にTRYしてほしいですね! 強い相手と戦う事こそ、日本代表の未来に繋がりますから。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事